傀儡舞曲〜四季の舞〜

□第一舞曲
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「邪魔すんなよッ!!風音っっ!!!」
「邪魔しないでッ!!風音ちゃんっっ!!」
「でも、速くしないと‥雨が…ι」
「ンなもん、傘挿せば良いだろ!?」
「ぇ‥でも...。」
「そうそう!!今は、アタシとと〜ふの決着が先だよッ!」
「..でも…早く抜けても越…。」
「良いから、風音は黙ってろッ!!!」
「良いから、風音ちゃんは黙っててよッ!!」
「…ぅ〜。」

 秋風と冬風の間に入り止めようとした娘‥風音は、2人に良い様に良い包められてしまった。

「..風音様...どうするの..?」
「2人置いて行く訳には行かないし‥かと言って待ってもいられないし…。」
「....じゃあ‥止めないと...」
「うん‥夏風はどう止めたら2人が納得すると思う?」
「……僕も‥解らない....ごめんなさい...。」
「良いよ。僕も解らないしね?」
「..ぅん…ごめんなさい。」

 追い出されたのち、後方を歩いていた薄青髪の少年‥夏風が風音の側に寄り大人気ない冬風と秋風の喧嘩を眺めていた。
 一方、渦中の2人はお構いなしに互いに獲物を手に、攻め手は、一打一打をほぼ急所を狙って獲物や拳、足などを繰り出している。
が、受け手は寸前で交わし、受け止め、そのまま己の一打を相手に決め込むという正に“神業”の攻防を繰り広げている。

「ヲイ!避けるなって言葉の意味解ってのかよッ!!」
「え〜☆何が?」
「‥あぁ。悪ぃ似非日本人は日本語じゃ解らねぇよな?」
「...なッ。」
「俺様が母国語で言ってやるから、母国語でなんて言うか教えやがれ!!似非。」
「似非言うな!!」
「おっと!」
「避けるな〜!!」
「ん?悪ぃな。俺様は、日本語以外解らねぇんだよ〜ハハハッ。」
「アタシは、日本人ッ!!!」

ほんの数刻前迄、秋風が心身共に優勢かと見えたが、秋風自信の触れてはならぬ所を突いてきたのかあれだけ的確なものが少々攻めに乱れが生まれて来たように見える。冬風が次第に勢いをつけて来たようだ。


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