傀儡舞曲〜四季の舞〜

□序曲
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「...ぃ...ぁ...る..」


小鳥達が目覚め、朝方独特の薫りに包まれし山奥の森林に、何やら人影らしき物が起き上がり何かをブツブツと1人事を呟いている様に見える。




「…寒い、今日は雨が降りそうだよ?どうする?」
「うん。風が..ね。教えてくれたんだよ。`今日は雨が降るよ。速く峠をお越え'って。」
「僕は平気だよ?只、皆が疲れてないかなって。心配なんだ。」
「え?酷いなぁ僕にとっては皆、普通の人と変わらないよ?」

1人事にしては、随分大きなしかも会話形式な物である。
まるで、話している人影からはその場に数人の者見え、普通に話しているかと錯覚する程だ。





否。錯覚ではなく、現実なのかも知れない。

朝露の霧が薄れて行くのと共に1人の会話を楽しんでいる人影がはっきりと、確実に姿を表していた。


「主、笑っている場合では御座いませぬ。風の知らせが在ったのならば…。」
「良いじゃねぇか。どうせまだ降らねぇんだろ?」
「オイ!!我は、お主に問うていない。」
「うん。まだじゃないかな?」
「だろ?」
「主ッ!」
「わぁι…朝から‥大きな声は‥良くない…と思う‥よ。」
「そうそう♪幾ら山奥だからっ
て、何があるか解らないじゃない!!」
「お主ら何を‥大体!何故ゆえ、主がこんな所で、野宿等してると思っておるのだッ!!!」
「えっと〜ιなんでだっけ??」
「俺様振るんじゃねぇよ。似非日本人。」
「何をッ!!何処の誰が似非日本人なのよ!!?」
「お前ぇだよ、お前。」
「‥捻り潰すよ!!?」
「んだと殺るかぁ!!!?」
「望む所よ!!!」
「えっと‥喧嘩…は良くない…」
「「餓鬼(チビちゃん)は黙ってろ(て)!!」」
「ご‥ごめんなさいιι」






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