水面に映る月を

□鏡
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鏡の中の私は、いつも笑ってる…。

別に楽しい訳じゃないけれど。

鏡の中の私は、悲しそうに笑ってる。



 私は別に鏡で自分を見る事は好きではない。

どちらかと言うと、嫌いだ。


 自分の汚れた姿をしっかり映し出すこの鏡(代物)は…。


まるで、綺麗事を言ってる様で…


  まるで、私に汚れず清らかにいろ。と言ってる様で…

  見るだけで


   イライラする…。



私は、もう後戻りは出来ないの。



 このまま…。



  いや




    これ以上



私は汚れるのだから。


だから、昔の様に…。



 鏡を覗いて


  微笑む事はないのだから…。



  鏡の中の私よ。



お願いだから…。



   お願いだから。


そんなに悲しそうに笑わないで…。



私の意志を崩すには、
 充分過ぎるから…。


だからお願い…。


  あいつらに復讐するまで…。


   あの方との約束を果たすまで…。



  まだしばらく眠っていて。



   いつか



 あいつらに復讐し


  あの方との約束を果たした後に…。



 また…



あの時の様に偽りのない清らかな姿と笑顔で

 覗いてあげるから…


  だから、



   それまで…


静かに眠っていて。



私の為に…


  そして


   あの方の為に…



後書き。




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