本気で捏造する平助√花終幕
□第四話
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「━━あっ…」
待ち合わせ場所は、再会したお茶屋さん。
少し遠くから手を振り駆けてくる人を見つけて、思わず立ち上がる。
良かった。今日で合ってた…。
「よっ!良い子にしてたかぁ?」
「何それ…わたし子どもじゃないのに」
開口一番に言われた言葉に頬を膨らませて返すと、平助くんは楽しそうに笑った。
「俺はお前の兄ちゃんなんだから、心配なんだよ」
そう言って頭を優しくなでる手は大きくて。
その温かさに何故か涙が出そうになった。
「…あんたってさ、すぐに泣きそうな顔になるのな…」
「え…」
何処かバツが悪そうに彼は続ける。
「実はりりより先に来たんだけど、また迷子になってんじゃねぇかって一回離れてたんだよ。一通り巡って戻ってきたらあんたがいて。…なんか、泣きそうな顔に見えたから」
「あ…そ、そっか……」
わたし、そんな顔してたんだ…。
確かに不安だったけど、まさか他人から見てそこまで…。恥ずかしい…。