本気で捏造する平助√花終幕

□第四話
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……なんだろな。何か面白くねぇや。

先程のりりとのやり取りを未だに引きずり、胸の中がムカムカと焼けていた。
誤魔化すように団子と茶を腹に流し込み、一度落ち着こうと息を吐く。

…此奴の世話してるって奴は、余程此奴のことを見ているんだな。
……男だろうか。
そいつが見たてた着物がとてもよく似合っているものだから。
………だから、なのか。
嫉妬心に煽られるのは。

「……ヤキモチ妬いてんのかよ…」

ぽつり、呟いてしまった。
しかし隣の娘は団子を頬張りながら気付いた様子はない。

「すごく美味しいよね、ここのお団子!」

「……ははっ。だろ?俺の行きつけなんだよ」

……本当に此奴は。
調子が狂ってしまうほど、素直で。
愛おしくなるほどに可愛い。

……だからこそ、気になる。
此奴が世話になっているという人物が。
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