本気で捏造する平助√花終幕
□第四話
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「……あれ、」
不意に平助くんが気づいたようにわたしの方を見て表情を変えた。
「前のとは随分違う柄の着物着てるのな」
似合ってるけどと付け加え、軽く笑う。
「ありがとう。…実はこれ、お世話になっている人からもらったものなの」
この着物は、龍馬さんが好意で買ってきてくれたもので。
淡いピンク色の生地に白い小花が咲いているデザインは、わたしもとても気に入っている。
自分に似合う色とか柄ってわからないから、すごくありがたいよね。
そう言うと、
「………そうか、そりゃ良かったな!」
一瞬妙な間があったけど、満面の笑みで返してくれた。
若干の違和感はあったけど、その笑顔を見てわたしも頷いて笑い返す。
「…さて、と。腹ごしらえといきますかっ」
みたらし団子三つ。
店の人に注文を伝え、出されていたお茶を軽く啜った。