ブルー・トリッパーbook
□まっかっか
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とりあえずお風呂に入って来よう。
タンスと漫画以外だったらなに触ってもいいと言って私は部屋を後にした。
「あー…なんだこれ」
身体と髪を先に洗って湯船につかり、今日のことをいちから思い出す。
漫画のキャラが目の前に居るのに、興奮も驚きも無く、むしろ冷静すぎる自分が気持ち悪い。
「せっかくなんだし、色々聞きたいよね〜。
テッちゃんのこととか?
大学の体育でやってる最中だし、バスケも教えて欲しい。それと……」
「なあ」
お風呂場のドアの向こうで青峰君の声がした。
「どしたのー?」
「ねみい」
「あ、はいはいちょっとまってて」
バスタオルを身体に巻きつけ廊下に出た。
「んー…私ひとりぐらしだから蒲団は一組みなのよねー。悪いんだけど、私のベッド使ってー……って、どうしたの?」
青峰君が、固まってました。
「おーい?」
「ふ、服着ろ!!」
「え?」
ガングロクロスケな彼の顔は真っ赤になっていた。
「うそだろおい〜」
グラビアの写真集が愛読書なんじゃないのー?
(実はとってもシャイなんです)