治そうにも治らないんです!BOOK

□予約したい
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授業が終わり、部活が始まる。

「征十郎」

体育館に入る前の征十郎を捕まえて服を引っ張る。

「なに、服がのびる」

「体育館に入る前に言いたいんだもん」

体育館の中での征十郎に私用で話したくない。
いくら幼馴染とはいえ、キャプテンがマネージャーと私用で話していたらその場の空気がだらける可能性がある。
征十郎がいたら問題は無いんだろうけど、もし他の選手とマネージャーが恋仲とか近しい関係になったときとかの予防線。
怒ることが出来るようにの精いっぱいの努力。
だから私はマネージャーになった時、この中で私用で話しかけるのはしなくなった。

「今晩、予約」

「……わかった」

征十郎は私の頭に軽く手を置いて体育館へと入って行った。






「ねえ名前ちゃん、予約って?」

ドリンクを作りながらさつきちゃんが言った。

「あ、聞いてたんだね。
征十郎に相談したいことがあったらいつも予約って言うの。
いつもは意地悪だけど、いざとなったらすごく頼りになるの」

「そうなんだ。さすが赤司君」

さつきちゃんはやわらかくほほ笑んだ。
さて、一軍メンバーにドリンクを届けにいこうかな。





2012/09/13


「予約」って言葉。すごく便利なんですよ


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