治そうにも治らないんです!BOOK

□お昼休みは情報交換の時間です
1ページ/1ページ




好きだと言った。
素直な気持ちだった。
でも、それに対する青峰くんの返事は無かった。
スルーされたのか、本当に聞こえなかったか。どちらにせよ、私は馬鹿だったのかもしれない。

「そんな青峰君が好きだよ、私」

思い出される数分前の自分の言葉。
先生の声が、耳に入って来ない。
手が、小刻みに震えて、ドキドキしている。



お昼休み。
いつも一緒にご飯を食べる中庭に、さつきちゃんの姿はまだ無かった。
授業長引いてるのかな?
そう考えながら、いつものベンチに腰掛ける。
だけど十分待ってもさつきちゃんが現れる気配が一向にしない。
もしかして、急用とか?メール……
携帯を取り出しメール画面を確認する。

「名前ちゃ〜ん!!ごめんね!!ちょっと呼ばれちゃって〜!!」

聞き覚えのある明るい声が聞こえてきた。

「さつきちゃああああああああん!!」

ぼふっとさつきちゃんの胸に飛び込む。

「えっと……ごめん、ね?」




ご飯を食べながら朝練後のことをさつきちゃんに話した。
するとさつきちゃんはにこにこして、大丈夫だよと言った。
何を言っても、大丈夫の一点張りで、最終的に私がなんとかするからって言ってきて、
何が大丈夫なのかわからないまま昼休みが終わってしまった。



2012/09/03



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ