治そうにも治らないんです!BOOK

□赤髪の幼馴染は悪魔でも、マネージャーのさつきちゃんは天使です
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「そういえば名前ちゃん、今日はいつもより若干来るの遅かったよね?寝坊?赤司君起こしてくれなかったの?」

タオルを体育館に運びながらさつきちゃんは質問してきた。

「いや、起こしに来てくれたよ?かくかくしかじかでベッドから落ちてカレンダーはぐしゃぐしゃになるわ征十郎に叩かれるわで……」

「ああ〜色々ハプニングがあったのね。でも頭大丈夫?」

「え?私の頭はいつだっておかしいよ?」

「じゃなくて!保冷剤とかで冷やした方が……ほら!たんこぶ、熱を帯びてる!!」

タオルは他の子に任せるからってさつきちゃんはベンチに座っている選手を蹴散らして私をそこに座らせた。

「とりあえず朝練終わるまで冷やそう?名前ちゃんが倒れちゃったらあたし悲しいもん」

うう、さつきちゃんが天使に見える。いや、元々天使なんだけど、どっかの赤髪の幼馴染とは大違いだなぁ。こんな幼馴染のいる青峰君がうらやましいよ〜。今日も朝練来てないみたいだけど、いっそのこと変わってほしいよ、もう!!

「今日はきてるっつーの」

頭に重いものが覆いかぶさった。

「だっ……青峰君!だめだよ今名前ちゃんの頭を触ったら!!」

「あん?」

「苗字さん、頭なんか冷やして何かあったんですか?」

「怪我っスか!?」

「名前ちん大丈夫〜?お菓子いる〜?」

レギュラーメンバーがぞろぞろと集まって来た。
どうしたのどうしたのと騒ぐものだから征十郎が一言、アニメのカレンダーに驚いてベッドから転がり落ちたんだ。と言った。うう、なんとも間抜けに聞こえるじゃないの征十郎め。

「でも赤司。こいつアニメ好きだろ?驚くって何に……」

「カレンダーのキャラクターに問題があるんだ」

ため息をつきながら征十郎は携帯を開いて皆に見せた。

「こいつがどうかしたのか?」

「普通じゃね?」

「別に普通の男の人ですね。上半身裸ですが」

「顔もかっこいいよ?」

「俺の方がかっこいいッスよ!」

「黄瀬ちんアニメのキャラクターとはりあっても意味無いって〜」

皆が口々に言い始めたので気になって征十郎の携帯を覗き込むと、私がベッドから転げ落ちた原因である6月のカレンダーに描かれたキャラクターが映っていた。

「ぎゃああああああああああああああああ!!!!」

さつきちゃんの胸に抱きつくとさつきちゃんは混乱しながらも私を抱きしめてくれた。

「え?え?どういうことなの?」

「名前は筋肉恐怖症なんだ。筋肉が怖いし嫌いなんだ」

正確に言うと、腹直筋と外腹斜筋だけなんだけどね!!

「朝このイラストを見て恐ろしさのあまり絶叫。転倒。頭打って……馬鹿だよね、全く」

写真撮る暇があるなら私を助けてよこの悪魔め!!

「何か言ったか?」

「何もいってません!!」




2012/08/27

簡単にいっちゃえばお腹周りの筋肉です


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