妄想駄文room
□今はまだ、このままで。
1ページ/2ページ
夢をみた。
俺が…銀時を置いていってしまう夢。
辛く悲しい夢のはずなのに……どこか温かい夢だった。
俺もあいつも人間だ。
いつかはこの人生を終えるときが来ることは分かっている。
前に、「死ぬときは一緒だ」なんて
格好つけて言ってみたことがあった。
今考えれば、“死ぬときは一緒”じゃなく、“死ぬまで一緒に”が正しいな。
一緒にこの世を去ることは不可能かもしれない。
…だけど、せめて愛する人の側で。
朝日が部屋に差し込み、辺りが明るくなる。
隣で寝ている銀時の髪を輝かせる太陽の光は、今の心中と同じで暖かかった。
この心臓が脈打つ限り、俺はお前に尽くす。
これを言ったら、またバカにされそうだ。
いつもは恨めしい朝日も、今日はなぜか嬉しく感じた。
ふと時計を見ると、仕事に行くにはまだ早い時間。
安心感から再びやってきた睡魔に逆らうことなく、目を瞑った。
今はまだ、このままで。
お前と歩いていけたらそれで良い。