黄昏を射る。
□黄昏を射る。
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話を終えた後、
名前の様子が気になったソールは
彼の部屋を訪ねに階段を降りた。
薄暗い廊下、
自警団の皆とは大分離れた場所にある彼の自室は
静けさで満たされていた。
ドアの前に立ち、二回ノック。
返事はない。
ドアノブを回そうとしてみるが回らない。
鍵が掛かっていているのであろう。
嫌な予感がした。
思いきってドアを突き破る。
部屋は暗い。
足を進めようとしたら何かにぶつかった。
手にしていたランプを掲げると
それは
右腕を切り刻み
血を滴らせた
名前の姿だった。
鮮血は
(飛ぶことを諦めた)
(白い鳥への餞。)