黄昏を射る。
□黄昏を射る。
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名前たちは翌日の明け方に出発し、日が傾いた頃に裏街道を歩いていた。
「疲れたよー!お兄ちゃーん!!歩きっぱなしで脚が痛いよー!!」
リズが叫んだ。
「この山を越えればもうすぐだ。ルフレも大丈夫か?」
「な、なんとかな…クロムの体力がうらやましいな……というか、名前は俺よりもだいぶ細いのに何処にそんな体力があるんだ?」
「馬鹿にしてるのか?…お前よりかは鍛えてる。」
筋肉がつきにくいの気にしてるのに。
「(何時の間に仲良くなったんだ…?)なんなら、おぶって行ってやるぞ。」
「じゃあ、わたしもおんぶして!」
いや、いくらクロムでもルフレとリズを一緒におぶるのは…無理だろう。
そう名前が思っていると、横にいた神官が何やらそわそわしていた。
「神官様、どうかされましたか?」
「な、なに、追っ手が来ないか心配でな。落ち着かんのだ、ははは…」
「クロム。あの人は?」
ルフレがこっそりと尋ねた。
「長年、姉さんのもとでイーリスの政務を助けてくれた人だ。ルフレ、どうかしたのか?」
「はっきりとは言えないが、何か様子がおかしいような…」
同感だな
と、言おうとした時。
「止まれ!」
「!?ペレジア軍?なぜこんなところに――――!
くそっ!
考えてる暇はない。全員、戦闘準備を!」
いきなりの敵の登場で皆戸惑ってはいるが心配はない。
そうだろう?軍師様
上がった口角
(お口の形は)
(よく気持ちがわかるのさ)