黄昏を射る。

□黄昏を射る。
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―――


息が乱れる。

視線と言う名の針に刺され、

堪らず空を見上げた。


          ―――









弓の名手と讃えられた女神アルテミス。

その加護を受けたとも謳われた名前は
その能力をみいられ
イーリスを守る自警団に入隊していた。

深海をも思わす蒼い髪を風に踊らせて、
冷たい岩のようなスモークグリーンの瞳で空を仰げば人々は刻も忘れてそれに魅せられていた。



しかし


彼は人々の間で一躍有名人となったが、
とある者の登場により
刻々とその存在も忘れ去られていった。


あの日からの彼の生活は
朝とも夜とも言えぬ
黄昏に沈んだものだった。





沈んだ後に

(その深さと暗さを知り)
(考えるより先にもがく。)
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