黄昏を射る。

□黄昏を射る。
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「マリアベル…」

「何ですの?名前」
国境からの帰り道、軍の最後尾で俺はマリアベルに話しかけていた。

「その…ルフレをどう思う?」

「なっ…私が本当にルフレのことを嫌っていると考えていらっしゃいますの!?」
「え、いやっ…違うんだ!!」

まさかの勘違いに一瞬怯む。

「ただ、その…さっきの会話を聞いててさ。嫌われてるって思ってても正面から話せるのって凄いな…と」
「…確かに、クロム様とは少し違いますけれど…真っ直ぐで、心のお強い方だと思いますわ。」


やっぱりみんなそう思ってるのか。

話してる内に軍の列から距離ができてしまった。

「マリアベル、ちょっと急ごう」

列、見えなくなるよ


「名前。」


「何?」



「私は貴方も充分心がお強いと思いますわ。」

マリアベルが加速した。



「ずっと辛いことを抱えているのでしょう?
私達は仲間ですわ。…皆、貴方の傷みを分かち合いたいのです。



少しずつでもいいんですの

私達に貴方の…
重荷を下ろさせてくださいまし。」




そう言って乙女は馬を再び加速させた。



俺の足はその後暫く動かなかった。



救いの手


(光が見えた)
(そして身体は喜びに震えたか?)
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