長編
□第9話 居酒屋
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歩く事数十分て所かな
にぎやかな夜の繁華街にやってきた
行き交う人々は、何とも楽しそう
そこは忍だけではなく、一般人も来ている様で様々な人とすれ違う
その度に気になる事があるんだけど……
女の人達の視線だ
まずはカカシさんに黄色い声と視線を向けたかと思うと、今度は私を見て「何あの子」という痛い視線を向けられるのだ
やっぱりカカシさんは人気なんですね…
「……カカシさん、人気者ですね」
「んー?そう?」
気付いてるくせにーー!
「さっ、もうすぐ着くよー」
素知らぬふりをしてのれんをくぐるカカシさん
なんかちょっと面白くない……気がする
「さこちゃーん、早くー!」
「あ、すみません、今行きます!」
のれんをくぐると、そこは活気のある居酒屋だった
威勢の良い声が飛び交っている
「さこちゃん、こっちこっち」
そうカカシさんは手招きをして、カウンター席に座ってこちらを見ている
「ここね、大抵飲みの時は来るんだ」
「そうなんですか。…誰と来るんですか?」
「ん?まぁ、忍仲間とか、一人でとか、かな。……気になる?」
ニコニコして聞いてくるカカシさん
「べ、別に気になってる訳じゃないです。ただ、さっき女の人達がカカシさんを見て騒いでいたので。さぞ人気があるんだなぁって思っただけです」
私、何焦ってるんだろ
これじゃ、まるで私がカカシさんを好き、みたいじゃない
そりゃ、確かに漫画見てる時からカカシさんが一番好きだったし、現にかっこいいなとは思うけど…
「さこちゃんさ、前から思ってたんだけど。……独り言多いよね?」
「え?!もしかして今の、聞こえて…ました?」
「んーまぁ、全部じゃないけど。俺がかっこいいとか、その辺」
恥ずかしすぎる。穴があったら入りたい
ていうか帰りたい
もう恥ずかしくてカカシさんの顔見れない…
「そう思ってもらえてて、俺は嬉しいけどねぇ」
「…え??」
びっくりして思わずカカシさんの方を見る
?!?!
すぐに前を向き直す私
び、びっくりしたー!!
カカシさんはあっさり口布を下してメニューを見ている
ちょっと不意打ちすぎるでしょ…
なんかますますカカシさんを直視できないですが