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□溶かしていく様にV
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就寝の時間に後藤ちゃんを寝る部屋に連れて行った。といっても先と同じ部屋なんだけど。
「おやすみ、後藤ちゃん」
「お…おやすみなさい……」
後藤ちゃんはどこか不安そうな表情になった。
でも、ここは堪える。寝るまで添寝なんてしたら、また警戒されるかもだし。
「なんかあったら、隣りにいるからね。顔出して」
「・・・・・・はい・・・」
そう、言ってみたが、まだ不安そうな顔のままだった。
その晩。隣りの後藤ちゃんの部屋からすすり泣く様な声が聞こえた。
寝ていた俺を起こしてしまうほど、脅えた様な声だった。
「後藤ちゃん?」
そっと覗くと、また布団に包まって寝転がっていた。
俺はベッドに近づき、布団をポンっと叩いてから尋ねた。
「大丈夫か?」
「・・・あっ・・・」
ようやく俺に気が付いた、後藤ちゃんはもぞもぞと布団の中から顔を出した。
眼と頬が涙でぐっしょりに濡れていた。
「どうした?怖い夢でも見たか?」
「・・・・・・」
何度か同じ事を聞いても答えてはくれなかった。俺は不安になった。
夕方の時の後藤ちゃんに戻ってしまった様な気がして。
とりあえず、落ち着くまで傍に居てあげる事にした。
後藤ちゃんが静かに眠りについても、俺からこのもどかしさは抜けずに残った。
・・・ to be continues