OOO

□溶かしていく様にZ
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俺は今、無性に後悔している。

昨夜、勢いの余り後藤ちゃんにキスをしてしまった。

しかも長いキス。

俺は今までにない位後悔していた。





「伊達さん?大丈夫ですか?」





風邪から復活した後藤ちゃんは、いつも道理に仕事をこなしている。

昨夜のこと気にしていないのか?





「あ、うん・・・大丈夫・・・」





もしかして考えないようにしてる?

俺は余計とも思える考えが巡ってしまい頭を抱えた。





「伊達さん顔色が悪いです・・・熱でもあるんじゃ・・・」




後藤ちゃんは心配そうに俺を覗き込んできた。

駄目ぇ!

今覗き込まれたら俺ちゃん壊れちゃう!!




「ほんと!大丈夫だから・・・」




俺は立ち上がり大きく手を振って見せた。

すると、突然部屋に使用人が入ってきた。





「旦那様!大変です!!」

「どうした?!ばぁや」




入ってきたのは俺のばぁや。

年に似合わず走ってきたらしく、息が上がっている。



「こ・・・鴻上ファウンデーションの会長が・・・!!」




今お見えに・・・・・・俺はその言葉を聞く前に部屋を飛び出していた。

鴻上ファウンデーションって後藤ちゃんを悲しませた、輩だ。

俺が許しようにも許せない存在。

後藤ちゃんの家族と故郷を奪った張本人。

俺は走って玄関ホールまでむかい、使用人に止められている鴻上の胸倉を掴んだ。




「おい!どうゆうつもりだ?!」

「おぉ、コレは伊達君。久しぶりだね」





鴻上は呑気に挨拶をしてきた。

だが、俺は返す気などさらさらない。




「ふざけるな!!お前にはもう、用はないんだよ!!」




鴻上の身体を胸倉から力の限りねじ上げる。

だが、体がでかい所為で思うように上げらず、歯切りする。

鴻上は何故か楽しそうに声を上げて笑っている。




「いや、君の欲望は実に素晴しいよ!是非とも我が社に来てもらいたいものだ!!」

「今日は俺をスカウトしに来たのか?!生憎、俺にも会社があるんでな、お断りだ!」




完全に威嚇状態の俺をなだめる様に鴻上は手を振る。




「今日はそんな話をしに来たんじゃないのだよ」

「じゃぁ、何だってんだ」




逆立つ気持ちを抑えた俺は聞き返した。

すると、思っていた言葉が返って来た。




「後藤君を貰いにきた」

「やっぱりな・・・!」




俺は鴻上の胸倉を掴んだまま追い出す体勢をとった。




「待ちたまえ!まだ話は終わってない」

「なんだ、俺は渡す気はない!」

「これは後藤君に決めてもらいたいことだ。彼も一緒に聞いて欲しい」

「・・・・・・」





後藤ちゃんが決める事となると俺は手が出せなくなった。

仕方なくばぁやに事情を話し、応接間に後藤ちゃんを連れて来てもらう事にした。
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