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□太陽に向かって
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N○Kの教育番組のひとつの園芸の番組で向日葵の楽しみ方をやっていた。
特に見るものがなかった非番の俺はその番組を見ることにした。
『向日葵は背が高い植物ですが最近では、背の小さいものもあるんです』
『あ、これなら園芸で楽しめますね』
「へぇ・・・」
思わず関心の声を上げてしまった。
昔、伊達さんは向日葵が好きだと言っていた。
夏の暑さをものともせず、太陽に向かって精一杯背伸びをして顔を上げる。
その力強さが好きだと。
でも俺は伊達さんも向日葵のようだと思う。
バスターの訓練を朝方まで付き合ってくれた伊達さんが昇り始めた太陽に向かって
腕をめいいっぱいに広げ、太陽の光を浴びている姿はとても眩しく思えた。
『最初は小さな鉢植えに入れて育て、ある程度大きく育ちましたら大きな鉢植えに移します』
世界で医療支援の活動をしに旅立った彼は
今、何をしているだろう。
また太陽に向かって腕を広げているのだろうか。
旅立ってから早数ヶ月。
何時帰ってくるかなんてわからないが、俺は必ず帰ってくると信じている。
あの眩しい太陽のような笑顔をしながら彼の『ただいま』が今にも聞こえそうだ。
『植え替えた後は、向日葵の周りに後々花の数が増える花を植えましょう』
『なるほど。向日葵の時期が終わっても楽しめるんですね』
俺も火野も比奈ちゃんも泉さんも知世子さんも、皆元気にやってます。
アンクはまだ帰って来てはいませんが、火野は大丈夫そうです。
皆伊達さんの帰りを待ってますよ。
『向日葵は1週間ほど花を咲かせると枯れてしまうので、周りに花を植えるのがポイントですね』
この前、帰国した時は一週間しか居れませんでしたね。
貴方の笑顔も一週間しか見れなかった。
早く貴方の太陽を咲かせたような笑顔が見たいです。
「早く俺に『おかえり』を言わせてください・・・」
だから・・・・・・・・・・・・・・・
Fin.❤