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□勉強よりバスケ、バスケより×××
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目を覚ますと寒くないことに気付いた。それに誰かにおぶられている。

「火神…?」
「起きたか」
「ごめ、寝てた……もう歩けるから良いよ、下ろして」
「嫌だ」

コイツは何を言ってるんだ。なんでさ、と言うと火神は黙って立ち止まる。そして何をするかと思えばいきなりおんぶの形から抱っこの形になった。
保育士ごっこ…?と幼稚な考えと裏腹に、火神の真面目な顔に私は少し驚いた。

「おんぶじゃなきゃ良い話じゃないって!」
「俺とこんなことするの嫌か…?」

質問に答えろなんて思いながら、火神の質問に正直ドキドキしていた。だけど体勢は抱っこだし、なんか子供扱いされてるみたいで気に入らなかったから私は抱っこはやだ、と言った。そうしたら膝を掬われて俗に言うお姫様抱っこみたいな体勢になって、それで火神が自然な感じに唇に触れた。

「あ……?」

一瞬何をされたのか分からなくて頭の上にハテナマークをたくさん浮かべた。だけどじじょに理解していき、物凄い羞恥にかられた。

「はっ、えっ、なに?うぇ?な、なんでこんな……?」
「そんなの名前が好きだからだろ…」

呆れたような顔で言われ私は口をぱくぱくする。そんな私を見て火神は笑った。その笑顔にときめいたのは秘密ということで。



(ちょっと…!?火神くん全く終わってないじゃん!)
(すいません、カントク……)
(すいませんじゃないの!名前ちゃんに頼めば安心だと思ってたのに…昨日なにしてたの?)
(えっ…?いや、違うんです!えっと、あの)
(ま、まさかあんたら…)
(ち、違いますってー!)
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