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□一度くらい、愛してよ
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突然だが、私は同じクラスにいる高尾和成という男が大嫌いだ。
まず、あの狐みたいな目が気に入らない。
そしてところ構わずクラスメートに話しかける様子も。
何より一番気に入らないのは……
「真ちゃーん、遊び行こうぜ!!」
一度くらい、愛してよ
突然だが、俺は同じクラスの苗字名前に嫌われている。
特に嫌われるような事をした訳じゃない……と思う。
最初はよく目が合うなって思っていただけだけど、
その内、彼女は俺と目が合うと睨んでくるようになった。
一体なんだっていうんだ……
その時フと気づいた。
―彼女と目が合うのは決まって真ちゃんと話している時―
つまり、彼女は真ちゃんのことが好きなんだ。
それと同時に真ちゃんに近付く俺が嫌いなんだ。
オイオイ勘弁してくれよ。
確かに真ちゃんとは仲良いけどね!?それは別にそんなつもりじゃ無いし……
この事がきっかけで女子にハブられたらどうしよう……マジで。
俺の高校3年間がとても悲惨な事になってしまう……!!
「聞いているのか高尾」
「へーへー、聞いてるよ」
「聞いていないだろ!!お前!!」
そんな俺の悩みなんか露知らず、真ちゃんは今日のラッキーアイテムについて語っている。
勘弁してくれよ、真ちゃんのせいで俺の高校3年間がかかってくるんだよ。
ホラ、また彼女が見てる。
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