short

□一度くらい、愛してよ
1ページ/5ページ



突然だが、私は同じクラスにいる高尾和成という男が大嫌いだ。


まず、あの狐みたいな目が気に入らない。

そしてところ構わずクラスメートに話しかける様子も。


何より一番気に入らないのは……





「真ちゃーん、遊び行こうぜ!!」





度くらい、愛してよ





突然だが、俺は同じクラスの苗字名前に嫌われている。


特に嫌われるような事をした訳じゃない……と思う。


最初はよく目が合うなって思っていただけだけど、


その内、彼女は俺と目が合うと睨んでくるようになった。


一体なんだっていうんだ……


その時フと気づいた。


―彼女と目が合うのは決まって真ちゃんと話している時―


つまり、彼女は真ちゃんのことが好きなんだ。

それと同時に真ちゃんに近付く俺が嫌いなんだ。



オイオイ勘弁してくれよ。

確かに真ちゃんとは仲良いけどね!?それは別にそんなつもりじゃ無いし……

この事がきっかけで女子にハブられたらどうしよう……マジで。


俺の高校3年間がとても悲惨な事になってしまう……!!



「聞いているのか高尾」

「へーへー、聞いてるよ」

「聞いていないだろ!!お前!!」



そんな俺の悩みなんか露知らず、真ちゃんは今日のラッキーアイテムについて語っている。


勘弁してくれよ、真ちゃんのせいで俺の高校3年間がかかってくるんだよ。


ホラ、また彼女が見てる。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ