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□腹黒王子と召し使い
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昼休みが近付くにつれて、家に帰りたいと言う気持ちが強くなる。
今日こそは逃げようと授業が終わる少し前から机の上を片付け始めるが、
「苗字、まだ授業は終わってないぞ!!」
と、先生の目に止まってしまい、悲しくも雑用の餌食になってしまった。
『先生のアホ、オニ……』
「チャイムがなるまで教科書は開いとけバカタレ」
『うにゃっ、』
先生が持っていた教科書(しかも角)で頭を叩くもんだから変な声が出てしまった。
まったく……今ので脳細胞かなり死んだぞ。
子供に勉強を教える先生が脳細胞殺して良いんですかー。
暴力はんたーい
と、先生に訴えてたらお駄賃として飴玉をもらった。
えっ、いいとししたおっさんがイチゴみるく味の飴とか……。
少し気持ち悪くなりながらも私はもらった飴を舐めながら教室へと急ぐ。
当初の目的は早くお弁当を食べること。それかお弁当を持って教室から出ること。
しかし、私は雑用の餌食になったため教室に帰る頃には私のお弁当は消えていた。
やられた……せっかくの私のお弁当が…
友達に聞くとどうやら私のお弁当を持って屋上に行った人物がいるらしい。
そんなの、一人に決まっている。
青峰君でも桜井君でも無ければ、若松先輩でもない。
―そう、あの腹黒眼鏡だ―
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