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□いつの間にか、
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はじめは、黄瀬くんが好きだった。

【だった】って言うのはちょっと語弊があるかな?だって今も黄瀬くんが好きだから。


でもそれは一人の男の人としてじゃなく、ファンとしての好き。


いま、私の一番好きな人は……―




『か、笠松先輩!!』

「おう、苗字、お前か」


また黄瀬の取り巻きか?なんて話す笠松先輩を見つめる。

違う、違うよ笠松先輩。

私が好きなのは笠松先輩ですよ。


その言葉は言わないまま笠松先輩に笑いかける。


『笠松先輩も大変ですね。後輩があんなにモテモテだと』

「あいついつも女子に愛想振り撒きやがって……まったく」

『アハハ、でも黄瀬くん、変わりましたよね。なんか。』


あぁ、と言った笠松先輩はきっと黄瀬くんの事を考えている。

本当に仲間が、バスケが、大切なんだなぁ。


こんな主将がいる海常高校は、なんて恵まれてるんだろう。






「お前、人の事よく見てるよな」

『えっ?……』

「なんつーか、そういった黄瀬の変化によく気付いたり、やっぱり黄瀬が好きだからか?」




どうしよう、なんて言えば良いか分からない。




「……俺の事は、見てくれないのか?」

『そ、れって……』



「……最初は、黄瀬の取り巻きの1人だと思ってた。でも、いつしかお前と目があうようになっていて……」





笠松先輩、気付いてたんだ。






「黄瀬には【ファンの子1人とられちゃったっス】とか言われるし……だいたいあいつにはいっぱいいんだろうが!!」




黄瀬くんまで……




「……あぁ!!とにかく!!とにかくだ!!お前は俺をどう思ってる!!ちゃんと、見てくれてるのか?」

『私は……』




わたしは、




『黄瀬くんが、すきです。』

「…そう、だよな……『でも、いつの間にか笠松先輩を追っかけるようになってて、そしたら黄瀬くんへの気持ちがいつしかファンとしての好きになってて、それで、』」

『わた、しは』




笠松先輩が好きなんです





消えるような声で呟けば笠松先輩に抱き締められた



つの間にか、



君に一直線。



(お前、黄瀬のファンはやめるのか?)
(うっ……それはちょっと譲れないです)
(黄瀬のやつ、後でシバく)



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