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□君の優しさに
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『……ぺぃ、』
名前が名前を呼ぶ声で目が覚めた。
時間は午後5時過ぎ。
外はオレンジ色の夕焼けが広がる。
『じゅん、ぺ……』
名前はまだ眠っているが、その額にはうっすらと汗が滲んでる。
悪い夢でも見てるのか?
取り敢えず名前を抱き締めて、背中を軽く叩く。
まるで、親が子供をあやすみたいに。
『じゅん、ぺ』
「俺はここにいるぞ、大丈夫だ。」
『行か、ないでぇ』
涙を流し俺の服を掴む名前。
だアホ、可愛い彼女を置いて何処へ行く。
「どこにもいかねぇから。」
なっ?と言って額にキスを落とせば、穏やかな顔で再び眠りにつく名前。
いかん、名前を抱き締めてたら、俺まで眠くなってきた。
時間は午後5時過ぎ。
―もう一眠りできるかな?―
そう思いながらも体は素直で、再び眠りについた。
夢の中に、俺が出れば最高なんだけどな。
君の優しさに
いつも、恋してる
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