夢小説2

□艶めきバレンタイン3幕捏造
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※2014年艶めきバレンタイン3幕捏造のお話になります。
※本家様のイベントに完全にそったものではありません。
※ネタバレにはなりますのでご注意下さい。
※本家のイベントはイベント、個人の駄文は駄文だと切り離して読んでください><
※もし違った視点からだったらこんな感じの話になるのかな。と言う個人的な駄文です。
どうか、生暖かく見守ってください。











*




お座敷を終えて、部屋に戻り一人ほっと息をつく。

今回のバレンタイン祭りは私が提案したものだったから
もし上手くいかなかったらどうしようかと密かに気を張っていたのもあったんだろう。
無事終わりを迎えることが出来て本当に良かったと、胸をなでおろした。


(大成功…だったかは分からないけど、
お客さんも喜んでくれていたし…少しは役に立てたかな。)



ここ最近の、いつも以上に忙しく働くあの人の背中を思い出す。
私が今回のイベントのお手伝いを特に頑張ろうと思ったのは、
島原の客足が減っていると皆が困っていて、
私が何かできればと思ったのは勿論だったけど、
やっぱりあの人の…
秋斉さんの力になれるなら、と言うのが正直な所だった。

秋斉さんに、ほんの少しでも私がここにいて良かったって思ってもらえたら
それは本当に嬉しい事だ。
長いまつげを揺らし、切れ長の目にほんの少しの色香を混ぜて…
私だけに向けてくれる笑みを思い描き、
それはちょっと欲張りだろうかと思いながらも頬を熱くさせた。


お座敷用に着ていた着物から普段着の着物に着替え、簪を差し換えて。
今日の為に密かに用意しておいた物を手に取った。

疲れてるかな。迷惑かな…。
でもこれだけは、日付が変わらないうちにどうしても渡しておきたい物だった。



*



『これは○○はんへのご褒美や。』


せわしなく動き回る私を呼び止めて、菖蒲さんがそっと渡してくれた。
特別なお人に渡したらええ。きっと喜んでくれはるよ。
人差し指を艶やかな唇に押し当てて、
おきばりやす。と手の中に置かれたそれは、お客さんに配るはずの羊羹だった。

お客さん用に用意した物を頂くなんて出来ません。と
断ろうとした私に菖蒲さんはどこか悪戯めいた笑みを作る。


『これは特別な”まじない”をかけた物なんえ?』


恋をする女子の為にかけた特別な物なんよ。せやから”お客はん”にはあげられへんの。
渡された羊羹にどんな”特別”があるのかは教えてもらえなかったけど、
私はその菖蒲さんの言葉に促され、おまじないがかけてあると言う羊羹を受け取った。



*
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