すきま風

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でも、千鶴はどうでもいいみたいな感じで、私はどんどん傷ついた。わたしだけじゃない…。渉も…。渉のがすごくすごく傷ついた。
でも、そんなこと渉は気がついてなくて、私は、私だけ取り残された気がしていた。ほんとはそうじゃなくて、傷だらけになっているのは渉だった。
私は、何度も言った。千鶴に言った。
でも、千鶴は応じなかった。
渉の笑い声、笑顔、すべてが痛かった。心に刺さってきた。グサリ…。グサリ…。音がなるくらい…すごくいたくて。
私はついに、耐えられなくなった。
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