すきま風
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テストで見事平均80点を手に入れ私は渉とのデートを決行することに成功した。
七月のよく晴れた日。夏なのに、空が澄み切りすぎて怖いくらいだった。
「天気いいねぇ」
そうですね〜!
私は嬉しすぎて、なにを返答すべきかすごく迷った。
二人でドライブ。カラオケ。食事。散歩。なにからなにまで特別で、はなしていた内容すべてが頭に焼き付いて、いる。
私は早足な渉についていくのが精一杯で、なんとなくそれに気づいて歩調を緩めてくれる渉の気遣いが嬉くて仕方なかった。
なにより、その笑顔が私のそばにあることが嬉しくて、それだけに舞い上がりすぎていた。そう、何もなかった。おどろくほどに何も。