すきま風

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千鶴が私の脇によってきた。私は隅に寄る。

『ひどいよ。里山さんは』

千鶴は私を学校で私をこう呼ぶ。

『私はなにもしてないじゃん』

さらに続ける。私は座っていた階段の床を見る。一つ一つ、目を数える。

『私から大切な物盗まないで』

首を傾げる私。何も聞かないでいる、ずっと数えている。



千鶴はなんで、体育休んでるの?

『なんでって?』


別に、


私は久々に強気に出た。本当にずるいと思ったから…。千鶴がずるいと思ったから…。確かに私はずるいのかもしれない。千鶴が正当な形で渉を手に入れた。私のやり方は不正なのかもしれない。でも、私にも守りたいものがあるから。
私はなにも考えず、渉にデートを申し込んだ。先のことより、守りたいものを私は手に入れたいから。
ほんとはなにもしたくない。めんどくさいから。適当に過ごしたいけど、ほんとに素直な人だから。大切だし、許したくないから。
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