短編
□あげない
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「アスラーン、僕だけどー」
「あ、キラ!入れよ!」
そう言ってキラを迎えてくれたのは、部屋の主ではなく、双子の姉だった。
『あげない』
「なんでカガリがアスランの部屋にいるの?」
キラはベッドに腰をかけると、少し距離を空けて隣に座ったカガリに問いかけた。
「アスランに誘われてな。ちょうどおいしいお菓子をラクスから貰ったところだから一緒に食べようと思って」
カガリの指さしたテーブルの上には可愛らしい袋があった。
「ふーん、アスランがねぇ…」
女の子を部屋に誘えるような、そんな度胸があったとは。
ちょっと見直したキラだった。
「お前は?どうして来たんだ?」
「僕はねーカガリとのコトを聞きたいなぁ、なんて思ってね」
「私?」
「そうだよ。ねぇ、アスランとキスした?」
「へっ…!?」
カガリが変な声を上げた。
動揺してる?
もしかして、図星?
「しちゃったの?」
「やっ…してない!してないぞ!」
「あやしいー」
「ほ、ほんとだ!ほんとにしてないんだ!」
「へぇー」
「おい、キラ!信じてないだろ!」
「どうやって信じろって言うのさ」
顔を真っ赤にして、前より女の子らしくなったカガリを目の前にして。
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