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□夢の宝箱
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「ねーねーカイトー」

「ん?何かなリン」

「お姉ちゃんのおっぱいって何が入ってるの?」

「え…?」

可愛い妹は真剣な顔をして、それはもう僕の顔貫いてしまいそうなくらい真っ直ぐな目で聞いてきた。

質問内容と表情が噛み合ってないような気がするんだけど。

「それはリンの方が僕より知ってるんじゃない?」

年齢設定が違うとはいえ同じ女性型だし。

それに、よく一緒にお風呂に入ってるでしょ。

「でもリンのとは全然違うんだよ!お姉ちゃんのはもっとこう…こんな感じ」

リンが自分の胸の前で例のおっぱいの形を示す。

うんうん、確かにそんな感じ。

さすがに形を覚えてるなんて言えないから、心の中で頷く。


「普通は脂肪とかだと思うけどなぁ」

「でもお姉ちゃん細いよ?脂肪なんてないよ?」

「あー…うん、そうだねぇ」

きゅっと引き締まったお腹とお尻を思い出した。

めーちゃんは胸にばかり脂肪が蓄えられてるんだよね。

「ねぇ、リン。僕より本人に聞いてみた方がいいと思うよ?」

「それはダメ!お姉ちゃん、絶対教えてくれないよ」

「そうかな?一度聞いてみたら?」

「カイトはわかってない!あんな大きくなるにはきっと何か秘密があるんだよ!」

「秘密…ねぇ」

「お姉ちゃんはそれをリンたちには秘密にしてるんだよ!だからリンもミクちゃんも、大きくなれないんだよ!」

ミクもかぁ…。

そういえばミクも気にしてるみたいだった。

僕は二人とも気にしなくてもいいと思うけどなぁ。

「うーん、リンたちははまだ若いからじゃないかな?ほら、ルカだって大きいよ?」

「ルカちゃんはバイリンガルだからだもん」

リンの脳内には『バイリンガル=外国人=胸が大きい』という謎の公式があるらしい。


「ねーねー何が入ってるの?」

これは埒があかなくなってきた。

彼女の弟に助けを求めようと姿を探すものの見あたらない。

これは何かしらの答えを言ってやるしかないみたいだ。

だけど、答えって言っても、真実を知るのはめーちゃんだけだしなぁ。

そもそも。

「リンはどうして僕に聞くの?」

この質問を僕に聞くこと自体が間違ってるよね。

「だってカイトはお姉ちゃんと一番長い付き合いでしょ?だから一番お姉ちゃんのこと知ってると思ったの」

違うの?とリンが不安そうに首を傾げた。

「違わないよ」

めーちゃんのことについては誰にも負けない自信がある僕。

付き合いも長いけど、誰よりも近い関係だし。

「知ってるんだったら教えてよー!カイトだけなんてズルいよ!」

いや、いくらなんでもそれは知らないけどね。

でも、そんなことを言ったってリンは納得してくれそうもない。

僕なら知ってるって決めつけられてるみたいだ。

ちょっと頭が弱いリン。

そんなとこも可愛いけど。


****


『ただいまー』

リンの質問攻めを曖昧な言葉で流していると、玄関の方からめーちゃんの声がした。

「おかえりー」

いつもならめーちゃんに抱きついてお出迎えするリンが、僕のマフラーを握ってアワアワと慌て出す。

「どうしよう!お姉ちゃんかえって来ちゃったよう」

「みたいだね。リン、やっぱりめーちゃんに聞いた方が」

「やだっ!」

その声が潤んでいたことに僕は驚いた。

リンの大きな目に見る見るうちに涙の膜が張られていく。

「ねぇ、カイトは知ってるんでしょ?お願い、教えてよぉ…ぅ」

これは大変だ!

リンに泣かれちゃ、めーちゃんに叱られる。

アイス禁止にもなりかねない。

それだけは避けなくては。

それに僕は、この子のお願い攻撃に一度も勝てたことがない。

こーなったらやけくそだ!


「リン。みんなには内緒だよ?」

「うん」

「あのね、めーちゃんのおっぱいにはね…」









「ただいまぁ…って、リンも居たの?」

出迎えにこなかったから、僕しかいないと思っていたんだろう。

「リンとカイトなんて、珍しい組み合わせね」

めーちゃんは不思議そうに首を傾げる。

「そそそんなことないもん!じゃあリン眠たいから寝てくるね、おやすみなさいーっ!」

リンは慌てた様子で僕たちの前から姿を消した。

そんな急いだら、嘘がばれちゃうのに。

でも、めーちゃんは。

「あの子、今から寝たら夜寝れなくなるんじゃないかしら」

なんて、気付いてないみたいだった。

リンの嘘の下手さも相当だけど、めーちゃんの鈍さも酷いと思う。


「ね、めーちゃん」

僕は突っ立ったままのめーちゃんをぎゅっと抱きしめた。

後ろから抱きしめたら、腕にダイレクトに感じる柔らかい感触。

僕がリンに言ったことは、強ち間違っていないのかもしれない。

「ちょ何すんのよ」

「いいじゃん、二人だし」

「よくないわよ」

なんてツンしながら、僕の腕に手を添えてデレるめーちゃん。たまらんです。




「ねぇ、めーちゃんのおっぱいは、僕の夢がたくさん詰まってるんだよね?」

「はぁ…?」




大きな宝箱が2つ!
(どちらにも男の夢が詰まっているのです)








20100717


カイトはミク以外のみんな(メイコリンレンルカ)から呼び捨てで呼ばれてます

あ、それはいいとして。

リンちゃんはペチャンコな胸に激しいコンプレックスがありそう

しかもめーちゃんがあんななので大きな胸へのあこがれも強そう

って思いました、で気付いたら書いてた


バカリンかわいいよ!頭弱いの可愛いよ!

リンは家族みんなから愛される可愛い可愛い妹です

少しでも手をだしたらフルボッコにされるよ、気をつけて!




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