御題
□確証が欲しい
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そんな辛そうな顔、しないで?
私は此処にいるんだから
部屋の空気がいつもより冷たく感じるのは、隣に彼がいないからだろうか
あんな辛そうな顔をして、私を抱く彼は初めてだった
それは私に原因があるけれど…
気持ちは私も一緒なんだよ、アスラン
起き上がって部屋を見渡すと、ベランダの窓が開いていて、そこだけカーテンがなびいていた
「アスラン…」
ベランダにはやはり彼が居て…、裸の上半身があまりに寒そうで
「カガリ…」
「上もちゃんと着ろよな、風邪引くぞ」
ベッドから持ってきたシーツを彼の肩にかけようとして、触れた肌はやはり冷たかった
ぐ、と腕を引かれて、抱き締められる
「ごめん……加減できなくて」
抱き締めてくる腕の力はほとんど入っていなくて、1歩引けば、たぶん解けてしまうほど
「…、何で先に謝るんだよ……悪いのは私だろ?」
「そんなことは…」
「ごめんな、アスラン…私…断りきれなくて」
突如カガリにあがった婚約話
アスハと云う名前に着いてくる国民の信頼を理由に代表に担ぎあげられたカガリには、まだそれを断るだけの力はなかった
「私がもっとしっかりしていたら、断れたかもしれないのに」
「それはもういい、カガリ」
「断りたかったんだ、私は……アスランと居たいから」
こちらから腕を伸ばして、冷えきった彼の体を抱き締める
「カガリ…」
「私はアスランがいい」
「俺もカガリがいい…カガリだけでいい」
「アス……ん」
何か言う前に唇が降りてきて、今度は力強く抱き締められた
今はただ
愛されている確証が欲しい
END