御題
□緩やかに笑った
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愛しい人の匂いに包まれて
目が覚めた
「起きた…?」
「ん…」
アスランが居る
寝起きの頭が認識したのはそれだけ
頭が痛くて、今はあまり考えたくなかった
「まだ朝早いから、寝てていいよ」
「ん…」
優しい声と、髪を撫でる手が開いた目蓋を重くしていく
「アスラン…」
彼の首に手を回して、サラサラの夜色の髪を撫でる
触れ合う素肌が心地よい
「好き…」
弛んでいた唇を奪うと、彼の顔は途端に赤くなった
その顔も、髪も、肌も、心地よい体温も
すべてが
アスランのすべてが
私のモノ――
満たされたのは、底知れぬ独占欲
きっと良い夢が見られる
胸いっぱいに彼の匂いを吸い込んで、目蓋を降ろした
END