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□鼓動
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「ちょ、なにし、」

あ"?

「あ"、じゃなくて、よけて」






生理痛が酷くて、学校なんて行ける状態じゃなくて。
だから今日は仕方なく学校を休むことにした。
よっしゃ、寝よう
そう思ってたのに、そう思ってたのに!
朝っぱらから病人の家にズカズカ上がってきたお前はアホか、アホ峰か!?
いつも一緒に登校してるから、メールも送ったはずだ。
体調悪いから今日は学校休むね、と。
なのになぜ、ベッドに横になるあたしを見下ろすように誇がって
気持ち悪いくらい口角を上げてニヤついているのか。
言っておくが、あたしと大輝は付き合っていない。
あたしと大輝は断じて付き合っていない。
大事だから2回言った。
だからどうしてこうなるのかが、全く理解出来ないのである。
出来の悪い頭をフル回転させるが、脳みそは反応してくれない。






「ん、大輝、ほんとキツいの…」

なんだよ、腹痛ぇの?
 あ、生理痛か?

「あんたってほんと、デリカシーないよね
 てか学校、行きな、よ」

今日は学校休みなんだよ

「違うでしょ、今日、月曜だし
 てか、早く行け」

なんだよ、見舞いしに来てやったのによ

「じゃあ、この体勢おかし、いでしょ」

いや、おかしくねぇ、「死ねガングロ」

ガングロ!?






完璧おかしいだろ。
まじ痛いんだから寝かせてクダサイ
あ、






「______ッ、」

お、おい名前、大丈夫か、






大丈夫じゃないと思ったら一刻も早くよけてくれ。
心配するように目を細め、眉間にシワを寄せた青峰は
ゆっくりあたしの布団の中に入ってきた。
え、ダメでしょ、ヤバいよ。
襲われる、と卑猥な勘違いしたあたしを馬鹿だと言うように
青峰の逞しい腕が腰に周り、あたしを自分の体に引き寄せた。






こうしてやっから早く寝ろ






青峰のくせに器用なことしやがって。
でも、





「ありがと、大輝」






優しいことなんて、大昔から知ってるの。









鼓動






……グー

(あたしより先に寝てどうするのよ、)



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