10Ks!

□愛❤愛❤大ちゅき❤
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和「…と、いうワケなんだよ、」

俺は数日後、仕事帰りに雄一の部屋へ寄り遊花の話をした。

雄「そうだったのか…遊花、寂しかったんだな…」
和「うん…俺、こんなコトになるなんて思いもしなかったよ。…子供を産むって大変なんだね…
前に、雄一のお母さんに言われたコト痛感してるよ。」
雄「俺の母さんが言ったコト?」
和「子供は産めばイイってモンじゃないのよ?その後が大変なんだから、って…本当だね。」

俺は最初俺達の結婚に反対だった雄一のお母さんに言われた言葉と一緒にその時の雄一のお母さんの悲痛な表情も思い出して項垂れた。

雄「そんなコト…俺だって和也から聞くまで考えもしなかったよ。大抵の親はそうじゃないの?母さんは子供を産んで育てあげた経験から言ってるだけだよ。和也が気にするコトじゃない、」

雄一はそう言ってくれたけど、
俺の気持ちは晴れなかった。

和「遊花、お友達みたいにパパやママとお出かけした話が出来ないから、自分1人で出来るモノを増やして自慢してるのかな…?
ソレって可哀想じゃない?自分は家族の話が出来ないから自分の話するって…あ…ヤバい、考えたら泣けて来たっ゛」
雄「おい、おい、和也が泣いてどうするんだよっ゛ほら、ティッシュ、」

月曜日の保育園で、楽しそうに休日を両親と過ごしたお友達の話をジッと聞くしかない遊花を想像したら涙が溢れてきて、泣き出した俺に雄一がティッシュを渡して来た。


雄「ヨシ!次の土日キャンプしよう!」
和「キャンプ?」
雄「うん、和也、土曜日オフだろ?俺もオフだし、日曜日の朝は『シューイチ』出るけどその後は空いてるし、和也は夜は『Going!』あるだろうけど昼間はオフじゃん!ゆっくり出来るだろう?」
和「ソレをゆっくりって言えるのかなぁ?…因みに、キャンプって何処に?まだ、2月だし山の中は寒いよ?俺達はイイけど、遊花にはキツくない?」

雄一がせっかく提案してくれた企画だったけど、まだ寒い日もある2月にキャンプは如何なモノかと思った。

雄「キャンプって言ってもグランピングだよ。今流行りのゴージャスなキャンプっ゛」
和「ああ!グランピング?それならイイかもっ゛」
雄「ちょうど穴場のトコ知ってんだよっ゛都心からも近くて比較的人目に着かない場所があるんだ」

雄一はそう言って立ち上がり、寝室に行って一冊の本を手にして戻って来た。

雄「ほら、ココ。なかなかイイ感じだろ?」
和「本当だ!広くて綺麗っ゛バンガローとも違うテント付きログハウスみたいな感じ?」

雄一が見せてくれた雑誌はアウトドアの専門誌で、テレビで何度か見たコトのある大自然の中に居ながら何の準備もなくキャンプ感覚を楽しめるグランピングの様子がデカデカと載っていた。

雄「予約は俺が取るから。和也はお義母さんに連絡しといてくれ。次の土日は遊花、俺達と過ごすって、」
和「うん!わかった!遊花絶対喜ぶよっ゛今から楽しみだね!」
雄「うん!家族3人で過ごせるのかなり久しぶりだもんな!正月以来か?もっと会ってない感じだな」
和「お正月は外には出掛けられなかったからね。雄一、元旦から仕事だったし…遊花とゆっくり過ごせて無いからじゃない?」
雄「そうだったな、ソレじゃあ、尚更のコト家族3人水入らずの休日を過ごさないとなっ゛明日1番で予約電話するよ!」

こういう時の雄一の実行力はものすごく早くて助かる。

雄「なぁー、プラネタリウム持ってく?」
和「自然の星が見えるんじゃない?」

…と、雄一も俺も、心は既に次の休日に飛んでいてー、

アレやコレやと、遊花を楽しませる計画を練り始めていてそれはすっかり夜が更けて深夜にまでも及んだ。
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