10Ks!
□◆今宵貴方と◆(シューイチ編)
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翌日ー、
雄「おはようございます!」
「おはようございます!」
スタジオに入りスタッフさん達に挨拶をしながら竜也が居ないかチェック。
(まだ来てないみたいだな…)
「あ、中丸くん」
挙動不審なほどキョロキョロしていた俺を呼び止めたのは『シューイチ』の番組プロデューサー三枝さん。
雄「おはようございます」
「おはよう。今日、上田くんが入るけどショービズのコーナーから入って貰うから中丸くんよろしくね。」
雄「わかりました!コチラこそよろしくお願い致します!」
俺はニコニコ笑いながら去っていく三枝さんに深々と会釈して見送った。
生放送が始まり、三枝さんが言った通りショービズから竜也が加わった。
竜「おう!中丸!久しぶりっ゛」
雄「おはよう。久しぶりっ゛」
CM中に隣に座った竜也にやや緊張しながら挨拶した。
やがて、CMが終わりショービズのコーナーがスタート
「今日はスペシャルなゲストがいらっしゃってます!本日からスタートする日曜ドラマ視覚探偵日暮旅人に出演する上田竜也さんです!」
スタジオ内に安村さんの元気な声が響き竜也が紹介された。
「中丸さんとの2ショットですけれども、お2人はいつ以来の共演ですか?」
(来たぁー!早速の質問!)
竜「ライブ以来ですかね?」
雄「そうですね〜ライブの後は仕事としては会って無いんで…」
(コレは言ってもOKだよな?タコパしたのは亀も知ってるし…)
「中丸さん、敬語なんですか?」
雄「え?いや、久しぶりなモノで距離感をまず…距離感を確認しないと…ね?」
と、竜也に目配せ。
そんな俺の言葉と態度にスタジオは爆笑!
司会の秀さんにも、
「徐々に、徐々にね(笑)」
と、笑われた。
そんな俺に対し竜也はー、
竜「よく安村さんとかKAT-TUNのロケに来て頂いているので、何故かシューイチだけは全然緊張しないんですよねっ゛」
「慣れた顔ぶれだからね(笑)」
竜「アットホーム感があります!(笑)」
「嬉しいねぇ〜っ゛ありがとう!ありがとう!」
と、肩を張り緊張を引きずったまま答えてる俺とは真逆に竜也は本当に心からリラックスしている様子で受け答えしていた。
ショービズが始まってからも隣の竜也に話しかけられる度にドギマギして、竜也からも変な顔をされた。
ソレでも、自分のコーナー『まじっすか!』の頃になれば幾らか緊張も溶けその後の『9時半越え』なんかはVTRを見ながら普通に会話が出来た。
そして再びCM
「中丸くん、コレ、上田くんと着けて」
雄「えっ?」
そう言ってスタッフさんから渡されたのはちょっと変わった形の手袋
雄「なんだコレ?」
竜「1個腹巻みたいのがあんな?ネックウォーマー??」
俺と竜也が渡された手袋を不思議そうに見ていると片瀬さんがやって来て説明してくれた。
「今日は22日でしょ?11月22日が良い夫婦の日っていうみたいに、毎月22日は夫婦の日なんですって、」
竜「へぇ〜」
雄「ソレで?」
「だから、この手袋はね…」
と、言いながら俺たちに手袋をはめさせながら片瀬さんは説明を続けた。
雄「えーっ!まじっすか!?」
「え?ココで渾身のまじっすか!?(笑)言う場所違くない?w」
雄「いやぁー、コレは…」
渡された手袋は片方ずつ普通の手袋で、2人並ぶ方は繋がっているという名付けて『手つなぎ手袋 グラヴァーズ』
2700円するのだそう。
俺はコレを着けてテレビに映るのかと思うと頭を悩ませた。
雄「亀になんて説明すりゃイイんだ…↓」
竜「なんだ、やっぱり亀か!どうも今日のお前変だと思ったんだよなっ゛…なんだよ?ヤキモチでも妬かれるってのか?」
竜也は手が繋がる方の手袋を弄び笑いながら言った。
雄「笑い事じゃない。コレは重大な問題なんだ、」
竜「重大?大袈裟だなっ゛wそんなに亀が怖いかよ?」
雄「怖いよ」
俺は真顔で言い竜也は面食らった顔をしてから「へぇ〜…」と、何やら企み顔をした。
CMが終わり『ZIP』の達也さんからのコメントが流れいよいよ俺たちの出番になった。
「次は、一見普通の手袋ですが、なんと片方が繋がっているんです!やはりKAT-TUNは繋がっていたんですねっ゛(笑)」
雄「はい、」
竜「いやぁー、でも、この手袋、中丸の手の感触が気持ち悪いっす!」
(あ!こいつヤッたな!)
雄「あの、繋いでませんっ゛繋いでませんからっ゛」
俺は慌てて訂正!
頭の中は
(コレを亀が見たら!)
と、ソレばかりだった。
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「お疲れ様でした!」
ディレクターの声があがり本日の生放送は終了ー。
その後、来週放送分の『まじっすか!』の前フリを竜也も入れて撮って終わった。
竜也はこの後早速ドラマの撮影に入ると言って、迎えに来たマネと一緒にスタジオにを後にした。
俺はいつも通りテレビ局の食堂で日替わりうどんとコーラを注文。
雄「亀、今日の放送見てたかな…」
そんな独り言を呟きながらスッキリしない気分のまま食事を終えて次の仕事へと向かった。