10Ks!

□抱きしめたい中丸とキスしたい俺っ゛♥
3ページ/17ページ


「お疲れ様でしたー!」

生放送が終わり一斉にみんなの挨拶とセットの片付けが始まった。

様々な声が飛び交い機材の移動の音に紛れて亀が一直線に俺のトコロに来た。

亀「お待たせっ゛行こう!」
雄「マジ待ったぜぇ、楽屋で待つならイイけど、スタジオで無関係な俺が居ると浮いて浮いて…っ゛マジ居づらかったよぉ〜っ゛」
亀「うふふ♥その格好だしねっ゛wタイムキーパーの子が中丸さんどうしたんですか?って聞いて来たよっ゛(笑)」

冗談じゃないと思ってる俺に、
亀は楽しそうな声で話してワイワイしながら2人で楽屋に戻って亀の着替えを待ち今日はタクシーで来たという亀を俺の車に乗せて亀のマンションへと車を走らせた。



亀「ただいま〜っ゛…と、」
雄「アレ?案外片付いてんなっ゛」

俺は久しぶりに訪れた亀の部屋を見回して言った。

亀「映画の撮り終わってから少し時間が出来たからね。部屋の掃除も片付けも一気にしたよ、」

亀は言いながら洗面所に歩いていき、手を洗い嗽をした。

雄「イワナ、俺が焼こうか?」
亀「マジ?嬉しいっ゛♥…じゃ、俺酒の用意するっ゛♥」

亀はニコニコと笑って仕事終りの疲れも感じさせない素振りで何やらゴソゴソと準備を始めた。


雄「何?なんの準備?」
亀「イイから♥イイから♥少し時間かかるから中丸先に風呂に入ってイイよっ゛」
雄「そうか?…じゃ、先に風呂に入って来るわ。」
亀「髪にまで葉っぱつけてるモンねっ゛(笑)洗って来た方が良いよっ゛♥」

亀が手を伸ばし俺の頭に触ると一枚の枯葉を取って見せた。

雄「葉っぱ?…あ、本当だ、全然気がつかなかったっ゛」
亀「中丸くせっ毛だから(笑)葉っぱ絡まりやすいんでしょ?」

亀が笑って言い着替えはいつもの場所にあると寝室を指さした。

雄「俺、葉っぱつけたまんま突っ立ってたのかっ゛w」

俺は独り言を呟き先にシャワーも浴びた。



風呂場から出ると何やら美味そうな…と、いうか覚えのある秋の味覚の香りがして来たっ゛


雄「松茸だ!」
亀「あ、お風呂出た?そう、松茸だよっ゛♥お取り寄せして朝着いたんだっ゛♥」

亀は言って先程ガサガサと用意していた七輪をベランダに出して、
パタパタと団扇を扇ぎながら松茸を焼いていた。

ソレを見た俺は俄然腹が減り亀が焼くだけにしておいてくれたヤマメも松茸の次に七輪で焼いた。

雄「俺、今年松茸初めてだっ!…つか、早くね?」
亀「そろそろ時期だよ。俺は毎年決まったトコロに頼んでるの。今日届いて良かったっ゛♥中丸と初物の松茸食べれるなんて幸せっ゛♥」

亀はそんな可愛いコトを言い、焼けた松茸をアツアツ言いながら器用に俺の分も割いてくれた。

亀「はい。そこのスダチ絞ってかけて、」
雄「Thank you♥…美味そう〜っ゛いただきます!」

俺はイワナを届けに来て松茸を御馳走して貰うという幸運にワクワクしながら松茸を食べた。

雄「美味い!…コレぞ日本の秋だなっ゛♥亀が選んだ日本酒にも合うよ、」

俺は今年初の秋の味覚に舌鼓みを打ちながら亀からお酌され、
イイ気分で贅沢な秋の夜食を楽しんだ。

雄「そろそろイワナも焼けたな。秋刀魚ほど煙が出ないからベランダで焼くのも有りだな。」

俺はイイ感じに焼けたイワナを皿に盛り付けて「今か♥今か♥」と、待っていた亀に渡した。

亀「わぁーっ゛♥美味しそう!釣りたてでしょう?凄いね〜っ゛♥」
雄「釣り堀だかんなっ゛w…でも、美味いぞ!食ってみ、」
亀「一匹だけ?中丸は?」
雄「俺は食べたんだよ。そのイワナはスタッフさんがくれたんだ。今日泊まりだから持ち帰れないって、」

俺は他にみ亀が用意した銀杏を煎りながら話した。

亀「そうなんだ。…でも、一匹は多いな。中丸半分こしよう、」

亀が言って綺麗に半身ずつ分けるのかと思ったら、「あ〜ん♥」と、箸で解したイワナを俺の口に甲斐甲斐しく運んでくれた。

ベランダから見上げる空には雲が多かったけど、時折その雲の隙間から覗く月を見ては、俺も亀も顔を綻ばせて酒を口に運んだ。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ