10Ks!

□ずっと傍にいて。
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翌日5月11日ー、

和也が俺のパンツを使ってそんなコトをしてるだなんて露とも思わない俺は、久しぶりに太一くんに誘われて早朝フットサルに参加していた。

元々サッカーは好きだし、フットサルもお手のものと、言いたいトコロだけど…如何せん!
朝が早過ぎて未だに頭が起きて来ない。体も重い気がした。

「オラオラ!中丸ぅー!何やってんだよ?足、ついてってねぇ〜ぞぉ〜っ゛」
雄「ハイ!すみませんっ!頑張ります!」

太一くんにドヤされて必死に相手チームに食らいつく俺!
点差は同点。
ココで1発イイ仕事をしたい!

そう思った俺は、半ば無理強いするようにカットイン!

雄「ヨッシャー!ボール取れた!」

と、思ったのも束の間《ピピーィ!!》と、審判のホイッスルが鳴り響いて俺はイエローカードを貰ってしまった。

「おいおい、何やってんだよぉ〜中丸ぅ〜っ!」
雄「すみませんっ!」

(しくったぁ〜っ!マジヤバイぞ!このままだと、太一くんに次呼んで貰えなくなる…!)

そう思った俺は、今度は慎重に相手選手に近付き隙を見て攻撃を阻止した!

「イイぞ!中丸!ナイスディフェンス!」
雄「ありがとうございますっ!」

太一くんに誉められた俺はすっかり有頂天!
次には思い切りの良いスライディングで太一くんのアシストに上手く入れて太一くんが見事ゴールを決めた!

「うおーっ!中丸!スゲぇー!ナイスアシストっ!」
雄「ハイ!…ハァ…ハァ…ありがとうございますっ!」
「うん?どうした?」
雄「パンツ、破けました…」

俺は激しいスライディングでまさかのパンツを破くという妙技を披露した。

「えっ?!パンツが破けたの??」
雄「はい…でも、大丈夫です。着替え、持って来てますから、」

最後、太一くんのゴールで試合に勝ち、太一くんはご機嫌のまま目を丸くして驚き、俺はそんな太一くんを安心させるように言った。

けど、実際には……

雄「アレ?入れた筈のパンツが無い?アレ?なんで?どうして?」

ロッカールームに戻りそれぞれがシャワーを浴びて談笑してる中、俺はシャワー後に開けた鞄の中に入れた筈のパンツが見当たらなくて思わずキョドったっ゛

「なんだ?どした?」
雄「ソレが…入れた筈のパンツが無いんです…」
「パンツが無い?」
雄「おかしいなぁ〜っ゛確かに入れたのに…」
「無いなら仕方ないじゃない。コンビニで買えば?」
雄「そうは言っても…今どうするかが…」
「ノーパンでイイじゃない、ズボン履くんだし、」
雄「ノーパンですかっ!無理です!俺、ノーパンになったコト無いですよっ゛」

俺はフリービールを飲むシャワー後の太一くんにオタオタしながら言った。

「大丈夫だって!誰も気づかないから、…ソレとも、誰か替えのパンツ余分に持ってるヤツ居ないか聞くか?おーい!みんなぁ〜…」
雄「イヤイヤイヤイヤ!ソレは結構です!ノーパンで帰ります!」

俺は大声で呼びかけ様とする太一くんを必死で止めて仕方なくノーパンのままジーンズを履いた。


雄「う〜っ!気持ち悪い!なんていうか、落ち着かないっ!」

俺は太一くんと別れ、チームのメンバーにも挨拶をしてロッカールームを出て駐車場に向かうまでの間、真ん中でプラプラ遊んでる自分のに違和感MAXでいそいそと車に乗り込んだ。

雄「ああ〜っ゛早くパンツ履きたいっ!このままじゃ不自然過ぎてマトモに歩けないよぉ、」

俺は左右を確認しながら車を発進させて早いトコロパンツが履きたいとソレばかり考えていた。

雄「太一くんの言う通りコンビニで買うか?…いやいや、コンビニのパンツって嫌でもその場しのぎのパンツなんだよな…どうせ買うなら普段通りのがやっぱイイよなぁ〜…仕方ない一旦、家に帰るか、」

俺は次の交差点で右に曲がり自宅に帰ろうと思ったけど、不意に「ココからなら、和也のマンションのが近いな!」と、気付き帰宅するのを止めて和也のマンションに行くコトにした。

雄「和也のマンションなら俺の着替えもあるしな、今日の仕事現場にも近いし丁度イイやっ゛」

俺は一石二鳥の思い付きだと思い和也のマンションへと車を飛ばした!
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