少女漫画みたいなお話。

□お手手繋いでっ゛
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和「雄にぃ、おはようっ゛♥」

雄「…おはよう…ふぁ〜…、」

朝日が差し込むと同時に隣に住む和也に起こされるのが日課の俺の名は中丸雄一。
高校3年生バリバリの受験生だ。

和「雄にぃ、スゴイあくびっ゛wまた徹夜したの?」

そう屈託のない笑顔で俺に話しかける和也は高校1年生。

俺達は産まれた時からお隣同士で、幼稚園から小学校、中学校とずっと一緒だった。
お互いひとりっ子だし、
2歳違いの和也は色白で目がクリンとしていてとても可愛く、ガキの頃はまるで女の子みたいだったので、「ゆぅにぃ、ゆぅにぃ、」とくっついて回る和也を性別は男でも妹みたいな存在に思っていた。

けど、高校に入り俺は俺で和也の知らない人間関係が出来て来てー
周りの連中からは「お前ら仲良過ぎっ゛w」「なんか、おかしくね?w」等と変に言われるようになり俺自身も「ちょっと和也と関わり過ぎかな?…程よく距離を置いてみるか。」と、第3者目線で考えるようになり本来ならこうして朝からベッタリなのは勘弁して欲しいトコロなのだが、
一向にその思いは和也に届かない。

雄「してたよ。もうすぐテストだし、センター試験の準備もあるし、」
和「テスト、テスト、って、いつもテストじゃんっ゛たまには俺と遊んでよ、いくら受験生だからって息抜きも必要でしょ?」

和也はいつも出入りしている窓枠に腰掛け足をブラブラさせながら話す。

俺はそんな和也に背を向け机に置いていた眼鏡を掛けて時計を見る。

雄「まだ、7時か。登校するには早過ぎるな、」
和「登校する前に朝ご飯食べるっしょっ゛今朝は雄にぃの好きな豆腐とワカメの味噌汁だよ。昨日雄にぃのお母さんが言ってたもんっ゛」

そう言ってピョン!と窓から飛び降りる和也の髪はキラキラして一瞬眩しかった。

雄「お前…髪染めた?いやに明るくないか?」
和「あ、やっと気付いた!雄にぃ俺が髪型変えてもなかなか気付かないんだモンっ゛カラーリングしたのもう3日前だよ?」
雄「カラーリングって…学校、禁止だろ?校則違反。」
和「雄にぃ、相変わらず硬いなぁ〜っ゛高校生のこの時期にオシャレしなくてどうすんの?校則違反でもイイのっ゛似合ってるんだからっ゛」
雄「似合ってるも何も…違反は違反だろう?またおばさん呼び出されるぞ?」
和「呼び出され無いよ〜っ゛この程度のカラーリングくらいじゃっ゛w俺の学校、フツーに金髪、銀髪いっぱいいるモンっ゛(笑)」
雄「だからって、お前なぁ〜…」
和「イイからっ゛イイからっ゛下行って朝ご飯食べようよぉ、俺腹ペコっ゛」

和也は俺の忠告など、まるっきり無視して部屋を出て行くとそのままトントン♬とリズミカルに階段を降りて行った。

雄「全くっ゛…知らないぞ、あんな髪色して…どうせまた誰かの影響なんだろうけど…」

俺はいつものコトと思いながら溜息を吐いて、

和「おばさん、おはよう!」

と、俺の母親に挨拶する和也の明るい声を耳にして階段を降りた。
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