仁亀百色玉手箱〃
□ようこそ!preciousへ【番外編】
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仁との新生活が始まって1ヶ月ー
仁はそれは見事なヒモ生活を送っている。
パチンコに競馬、ギャンブルもそこそこやるし、起きるのも昼夜を問わずまちまちで、食事も食べたい時に食べる。
しかも、その都度
j「かぁ〜ず、腹減ったぁ〜なンか、作って」
とか、言ってくるし、その度にペンを置き仁の為に食事を作る俺って
k「まるでお母さんじゃね?!」
とか、言いたくなる。
今だって、俺の後ろでソファーに寝転がり携帯ゲームに夢中だし
なンか、ムカつくー
k「じーん、洗濯物取り込んで〜」
俺は原稿にペンを走らせながら仁に頼む。
j「うーん、わかったぁー」
返事はするけどまるで動く気配無し。
k「じん! 雨降りそうだから、洗濯物入れてよ、」
j「おー 今やるぅー」
身体の向きだけ変えて返事してる。
俺はまるでやる気の無い仁に痺れを切らして立ち上がり仁の方へ向かう。
仁の携帯を取り上げて仁に言った。
k「もぉー!返事ばっかりしてないでサッサとやれよ!」
j「あ!こら、なにすンだよ!せっかくもうちょっとで和也とキス出来たのに」
仁は最近ハマってる『愛はKAT-TUN』とかいう恋愛シュミレーションゲームを俺に邪魔されて怒っている。
k「和也とキスするのはあとぉ、 てか、ほら、雨降って来たじゃん!」
俺と仁は2人で急いでベランダに出て洗濯物を取り込んだ。
j「前の家なら乾燥機あったのにぃ、そしたらいちいち外に干さなくても良いのに」
仁はボヤきながら言う。
k「乾燥機なンて買えないよう、電気代も高くなるし、ガスも考えられなーい」
俺は取り込んだ洗濯物を隣の部屋に干しながら言った。
仁はジーンズのポケットに手を入れながら俺の方へやって来て言う。
j「かぁず、そうやってるとまるで主婦だなぁ〜(笑)乾ききらない洗濯物を慌てて取り込む姿とか、それを部屋干ししてるトコロとか、この間までホストやってたなンて思えねーよ」
k「そういう、仁だって元「precious」の1ホストだったなンてコレッぽっちも思えないよ、グウタラしちゃってさ!」
俺はワザと棘のある様に言った。
それでも仁には全然堪えてない様で・・・
j「俺はいいの!今は充電期間中だから♪時期が来たら働くし、No problemだよ」
そう言ってまた、ソファーに寝転がり携帯を拾ってゲームをし始めた。
俺はヅカヅカと仁のトコロへ行き、携帯を取り上げて言った。
k「もー携帯は止め!マヂで真剣に答えてよ!本当に働く気無いの?」
俺は真面目に聞いてるのに、
j「だからぁ〜充電期間中だって、誰も働かないだなンて言って無いし」
そう言って俺の手から携帯を取り戻そうとするけど、返してやンない。
k「そンなの、(ヨッ!)当てになンねーし、(ハッ!)いつ充電期間終わるンだよぉ、トッ!」
俺は仁がコレでもかって感じで俺から携帯を奪おうとするのをかわしながら聞いた。
j「おのれ、チョコマカと!良いから携帯返せ!」
仁がだんだん本気になって来る。
k「やぁーだょ、返してやンない」
俺は「べぇー」っと舌を出し、仁の携帯を自分のジーンズの後ろポッケに入れた。
j「こぁら!かず!マデで返せって、もうすぐ連絡来るンだからよ!」
仁は言って俺を捕まえようと追いかけて来る。
k「連絡って、誰から?」
俺は寸でのトコロでかわしながら仁に聞いた。
j「滝沢さんだよ、今日から店再開するンだ、ヨッ!と、捕まえた!」
俺はソファーのトコロで仁に捕まり携帯を取られた。
k「滝沢オーナーprecious始めるの!?」
俺が聞くと、仁は頷きながら俺を見て
j「ああ、やっと資金繰りも上手く行って、来月から店開けるってこの間連絡あったンだ」
k「そおなンだ! なンだ、それならそれと仁教えてくれたら良かったのに・・・」
俺は文句を言いつつも、滝沢オーナーがまた「precious」を再開するコトが嬉しかった!
k「じゃあ、仁もまた「precious」で働くの?」
俺はソファーに座りクッションを抱えながら聞いた。
j「いや、しばらく手伝いには行くけど、もうホストをやる気はねーよ」
仁は俺の隣に座りながら話した。
k「そうなンだ・・・仁、何かやりたいコトでもあるの?」
俺は仁の顔を覗き込みながら聞くと
j「 やりたいコト?・・・ コレかな(笑)」
そう言ってニヤリと笑うと俺に抱き着いて来た!
k「もぉー、そうやっていつもはぐらかすぅ」
j「別にはぐらかせてねーよ、だってホントにやりたいコトだもン♪」
そうやって俺にキスして来ようとする。
k「だからぁーそうじゃなくて」
俺も仁を退かそうともがくけど、結局退けられなくって
j「お前がゲームの和也とキス出来るの邪魔したンだから責任取れよ」
仁がまた変な理屈を捏ねて迫って来る。
k「ゲームの和也とそンなにキスしたかったの?」
j「ンにゃ、こっちの和也とキスしたい(笑)」
仁はそう言って俺にキスした。
そのままソファーに俺をゆっくり倒すと仁が体制を変えてまたキスして来る。
k「ン・・・、ダメだよ、まだ原稿終わって無いンだから・・・」
俺がその先を進めて来ようとする仁に待ったをかける。
j「大丈夫♪ キスしか、しないから、」
そう言って首筋にキスしてくる癖に・・・
k『絶対、こうなるとキスだけじゃ終わらないンだから・・・』
俺は心の中で思うけど、結局俺もソレに流されちゃう。
仁と同棲して一番困るのは実はコレかも知れない。
いつ、何時でも仁が迫って来るからー
例え、ソレが原稿に集中している時でも、
j「かずの眼鏡ッ子姿に萌え♪」
とか、言って後ろから狙って来るし、
俺が拒めばいい事なンだけどね・・・
k「あ・・・ン、」
結局、今日も拒めそうに無いー
ダメだぁー 俺
ソファーに倒された状態のまま雨のあたる窓を見詰めて思う俺なのだった。