仁亀百色玉手箱〃
□ようこそ!preciousへ
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東京歌舞伎町―
一人の若者が飲めない酒を煽っていた。
k「ぷはぁ! おじさん!おかわり!」
俺の名前は亀梨和也
職業フリーター
漫画家になりたくて、高校卒業後単身上京して来た。
でも、世の中は早々甘くなくて―
ありとあらゆる出版社に投稿・原稿持ち込みするも全部×
オリジナリティが無い。
既成の漫画家に類似している。
色々言われて凹んでた上に、掛け持ちしてたバイトが不況の煽りか、人員削減、会社倒産、全部ダメになって―
k「もうーやってられるかぁ!!」
と、人生に嫌気がさして生まれて初めてのやけ酒を呑んでいる訳である―
k「はぁ、酒飲んでも気分て晴れないもんだなぁ…」
俺はフラつく身体を何とかバランスを取りながら、居酒屋を出て夜の歌舞伎町を宛もなくさ迷った。
k「はぁ↓マヂどうしよ↓家賃の滞納し過ぎて帰れるアパートも無いよ↓」
k「フリーターどころかこのままイッたらホームレスまでまっしぐらだよ↓」
そんなお先真っ暗な気分で歩いていたら
ドンッ―!
k「あ、すみませぇん」
人にぶつかって挨拶もされない始末―
あー世の中腐ってる!
余計に心が荒む。
k「うー、なンか気持ち悪くなってキた…」
俺は手で口元を抑えながら右にフラフラ左にフラフラ…
ドン―ッ!
あ↓また人にぶつかった↓
てか…気分悪…
J「痛ッて!危ねーな!」
k「ず…ずみまぜ…グッ…」
俺はぶつかった人に謝り
うップ―!もぉだめ…
その人にしがみついて
ゲボオォ!!
J「うわぁ!!汚ねぇ!てめぇ何しやがンだよ!!(怒)」
俺はしこたま吐いて
意識が…飛んだ―
k「う…うン…」
k「あれぇ…ここどこ?」
俺は目が覚めたら全く見覚えの無い部屋に寝ていた。
俺はワケもわからず?で起き上がったが
k「あーイッテーッ!」
物凄い頭痛に襲われて思わず頭を抑えた。
k「なンだよッ―この痛みッ―てぇ―!」
ふと、見たら…
k「え?!俺 服着てない!?」
何故か俺は真っ裸で寝ていた!
もぉ〜頭ン中がグルグル@@@
一体全体何が起きた!?!
俺は回らない頭のまま横を見たら…
k「えぇ!?」
裸の男が寝てる!!
俺はびっくりして寝ていたベッドから飛び出した!
J「うー、うるせぇなぁ〜」
寝ていた裸の男が眉間に皺を寄せながら寝返りを打って俺を見た!
k「ひッ!」
俺は恐ろしくて思わず声にならない悲鳴を上げた!
男はむっくりと上半身だけ起こすと俺を睨み付け言った。
J「あ゛?てめぇ〜昨日はよくもやってくれたなぁ?」
k「なッなンのコト―です…か?」
俺はベッドから飛び起きた時に思わず引っ張ってしまった白い綿毛布を身体に巻き男に聞いた。
k『俺…この人に何しちゃったンだろ?何も思い出せないょぉ泣』
男はベッドの側に置いてあった煙草に手を伸ばし一本喰わえて話だした。
J「お前…なンも覚えてねーの!? 昨日、俺にぶつかって来て
俺のスーツに盛大にゲロ吐きまくっといてょぉ!」
男はじろりと俺を睨んだ。
k「昨日…」
俺はズキズキ痛む頭を押さえながら、
昨日の出来事を思い出そうと必死になった。
k「えっとぉ…昨日はとにかく凹んでて
生まれて初めてのやけ酒を飲んで…」
俺はそこまで思い出して
k「あ!あの時の!」
J「やっと思い出したか」
あの時、俺がぶつかってしがみついて―
k「す…すみません…」
俺は全てを思い出して男に謝った。