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□◆タメ旅+◆ in鳴門海峡
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今日は『タメ旅+』地上波復活!一発目の放送の為、徳島県は鳴門海峡に来ている。

1日目のロケは終わり、地元の旅館に『タメ旅』スタッフさん達と宿泊する俺たちはみんなと大広間でワイワイ海の幸満載の豪華な食事を取っていた。




雄「ごちそうさま」
和「アレ?雄一、もういいの?」
雄「うん…腹いっぱいだから、」

そう言って夕飯もソコソコに席を立った雄一が気になって上田に聞いた。

和「なんかあったの?」
竜「あー、ちょっとな、、、」

向かいの席で一緒に夕飯を食べていた上田が気まずそうな顔をしてチョイ、チョイ、と片手で俺を呼び周りのスタッフに気付かれないようにヒソヒソと話し始めた。

竜「今日さ、俺と中丸で鯛釣りに言ったじゃん?時間いっぱいまで粘ったけど1匹も釣れなくてさぁー、」
和「ソレは天の声さんからも聞いたよ。雄一もダメだったわー、って言ってたし」

俺は1人陸に残りかめざんまいの腕を磨く為、地元の板前さんに鯛の捌き方を教わっていて上田や雄一とは別行動だった。

竜「その天の声が問題なんだよ」

上田は座敷の奥に座りプロデューサーの田村さんや他スタッフと談笑しながら旬のアイナメ料理を美味しそうに食べている天の声さんをチラリと見て言った。

和「問題って?」

俺も上田に合わせて天の声さんをチラ見してから身を乗り出して向かいの上田に耳を傾けながら顔を近付けた。

上田の話によると、思っていた以上に鯛が釣れなかったコトにイラついた天の声さんが雄一に「格好がふざけ過ぎ」だと言い出したらしい。

和「でも、そんなのいつものコトじゃない?天の声さんの理不尽な言い方は、」
竜「そうーなんだけどさ、俺も天の声について中丸いじったワケよ。ソレがちょっと度を越したというか…」
和「あー、誰もフォローする奴がいなかったってコト?」

俺は何となくその時の状況が頭に浮かんで上田に聞いた。

竜「そう!そういうコト!」

上田はパン!と両手を叩き話を続けた。

竜「やっぱ、亀が居ないとダメだわ。中丸も仕事で天の声がいじってンのわかってンだけどさ、ある一定過ぎるとカチン!と来るンじゃん?あいつ、根は真面目だしちゃんとやりたいヤツだしさ、」
和「わかった。ちょっと俺から話してみるわ、」
竜「おー!頼んだぜっW俺ともあんま話してくれねぇーし、参ってンだわ、」
和「了解!」

俺は上田にそう言って残っていた料理を全て食べ終えてから中丸を探しに行った。



和「おかしいなぁ〜…部屋にはいなかったし旅館内には居ないのかなぁ?」

俺はiPhoneを取り出し雄一に連絡しようか迷いながら長い渡り廊下を歩いている時だった。

ふと、横を見ると堤防に座る白いパーカー姿の雄一を発見した!

俺は玄関に回り、旅館のスリッパをスニーカーに履き替え雄一の居る海の方へと走った。

和「雄一!」

俺の声に雄一が振り返った。

和「何やってンの?こんなトコで、」
雄「別に…海見てた」

雄一は覇気のない声でそう言うと再び海の方を見た。

『だいぶキテんな…』そう思いながら雄一に聞いた。

和「俺も座ってイイ?」
雄「うん」

雄一が言って俺が「ヨイショ!」とテトラポットを足場に堤防に登るのに手を貸してくれた。

和「ありがとう。…海、真っ暗だね」

夜の海は真っ暗で繰り返し堤防にザザン!と、打ち付ける波の音だけが響き月明かりに照らされた場所だけがキラキラして白波が立っているのが見えた。

和「夜の海って不思議だよね。何にも見えないのに妙に落ち着くって言うかさ、波の音のせいかな…何だか安心するよね」
雄「うん…そうだなぁ、、、」

俺はいきなり本題に入るコトはせずに雄一のテンポに合わせようと寄り添う様に隣に座り話した。

雄「和也…心配して来てくれたンだろ?」
和「アレ?バレたっW❤」

気を遣ったはずなのに、アッサリ雄一にバレて俺はペロッと舌先を覗かせて笑った。

雄「バレるよw…つか、ごめんな。余計な心配掛けて…」
和「そんなコト無いよ。俺は雄一の話を聞きたいから来ただけ…大丈夫?」

俺は隣の雄一の横顔を覗き込む様に聞いた。正直、雄一にはナイーヴな1面があるから変な落ち込み方をしていないか、ちょっとだけ心配だった。

雄「俺も自分でわかってるンだけどさ、仕事だしこんなコトで頭に来ても仕方ないってさ、…あ、いきなりそんなコト言われてもわかんないよな、」
和「わかるよ、さっき大体の話しは上田から聞いたから、」

俺が言うと、雄一は「あーっW」と、言いながら頭を掻いた。

雄「上田にも悪い態度取ったな↓申し訳無い。…あいつ、怒ってた?呆れてたかな?」
和「怒って無いし、呆れてもいなかったよ。雄一にしつこくいじって悪かったって言ってた」

俺は上田が言っていたコトをそのまま話した。

雄「そっかー、…みんな優しいな、大人気無いのは俺だけだな」
和「反省してるンでしょ?なら、ソレでイイじゃないっW明日また頑張ればイイんだしっW❤」

俺は項垂れる雄一の丸い背中をポンと叩き励ました。

雄「うん。…そうだな、いつまでもクヨクヨしても仕方ないしな!」
和「そうそう!元気だそうぜっW🎵」
雄「けど……」
和「けど…?なに?」
雄「明日も上田と2人で釣りかなぁ…?また、和也一緒じゃない?」

雄一があんまりにも心細そうに聞いて来るからキュンキュン❤したっW❤❤❤

和「なぁーにぃー?俺に居て欲しいのぉ?雄一?❤」
雄「居て欲しい」
和「即答だねぇーっW❤」
雄「俺を竿三郎って命名したのは和也だろう?…どうやら、竿三郎は勝利の女神が居ないとてんで奮わないらしい、」
和「なに?❤イヤに持ち上げて来るねぇ〜っW❤気分イイけどっW❤」

俺は満更でも無い気持ちで堤防に座りながら両足をパタパタさせた❤

雄「持ち上げてるワケじゃないよ。今日、明日の大漁を神社で願掛けしたんだけど…イマイチ安心出来無いんだよ。」
和「ソレで?」
雄「勝利の女神の恩恵が欲しい」

雄一はそう言ってズイ!っと顔を近付けて来たっW❤

和「ココでキスしたら…誰かに見られちゃうよ…?」
雄「大丈夫、こうすれば見られない」
和「キャ!」

雄一はそう言ったかと思うと、パーカーのフードを目深に被り俺の身体を強く引き寄せて真上から覆い被さる様にキスをしたっ!❤

和「ビックリ!…大胆だね❤雄一❤…ううん竿三郎さん❤」
雄「大胆にもなるさっW勝利の女神を手に入れたいからなっW❤」

そう言って綺麗な切れ長の目に笑みを浮かべる雄一❤

俺はその目尻に右手を伸ばして人差し指で触れながら囁く❤

和「雄一の目尻のシワ❤好き❤」
雄「好きなのはシワだけ?(笑)」
和「他も好きだよ…❤」

そう言う俺に微笑む雄一が唇を重ねる❤

何度もキスする度に甘い吐息が漏れてキスだけじゃ済まなくなる❤

和「ねぇ…場所、変えよう?」

喘ぎながら言う俺に頷いた雄一は俺の手を引き優しく先導しながら堤防から海側のテトラポットを降りて夜の浜辺を歩き出した❤
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