10Ks!

□愛❤愛❤大ちゅき❤
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最近、遊花の「すごいでしょう!」がものすごい。

「ねぇ〜っ゛ねぇ〜っ゛すごいでしょう!」
和「うん、うん、凄いねぇ〜っ゛」
「でしょうっ゛でしょうっ゛ほおくえんでできるの、ゆうかだけなんだよぉ〜っ゛」
和「そうなんだ、本当に凄いね!」

縄跳びの二重跳びをヒュンヒュン風を切りながら何回も飛ぶ遊花。
ソレはソレで凄いんだけど、その前には「英語の歌が歌えるようになった!」と「すごいでしょう!」を連発してそのまた前には「おにぎりが作れるようになった!」と言って、俺に小さくて可愛いシャケのおにぎりをにぎってくれて

和「美味しいっ゛❤遊花凄いね!」

と、褒めると、

「でしょうっ゛おいしいでしょうっ゛ゆうかなんでもひとりでできるんだよっ゛すごいでしょう!」

と、とにかくやたらと「すごいでしょう!」を連発するのだ。

そうかと思うと、

和「明日は保育園だね。お友達に会えるねっ゛」

と、話しかけると、

「ゆうか、ほおくえんいきたくない」

と、言い出す始末でー、

そのテンションの上がり下がりが激しいのだ。


和「保育園に行きたくないって…なんで?何か嫌なコトがあるの?」
「なんでもない、あ!まるちゃんはじまるっ゛」

保育園に行きたくない。という気になる言葉を聞いて質問しても、遊花は何も教えてくれず、俺は仕方なく母さんに相談した。


和「ねぇ、遊花、保育園で浮いてない?あんなにすごいでしょう!を連発して…保育園で自慢してたら、お友達に嫌われるんじゃない?」

丁度お茶を煎れてリビングにやって来た母さんに聞いてみた。

「遊花ちゃんのすごいでしょう!はねぇ〜…理由があるのよ、」
和「理由って?ただ自慢したいだけじゃないの?遊花、保育園に行きたくないって言ったよ?お友達と上手くいってないんじゃないの?」

俺はテレビの前で女の子座りして、『まるちゃん』に熱中してる遊花をチラリと見てから遊花に聞こえぬように口の傍に手をやり小声で聞いた。すると、母さんは目を閉じてフルフルと首を横に振った。

「違うのよ。遊花ちゃんが保育園に行きたくないのは月曜日だけなの。」
和「月曜日だけ?」
「そう。月曜日って、土日家族で過ごした話をするでしょう?遊花ちゃん、お友達が話す家族の話を聞くのが辛いのよ…みんな、パパやママと遊園地に行っただの、お買い物に行っただの、話すから」

俺は母さんからの話を聞いて少なからずショックを受けた!

和「そうか…っ!…そう、だよねぇ〜…遊花は俺達と…家族と休日過ごせないんだモンね…」

俺はそんな簡単な理由に気づかなかった自分を情けなく思った。

和「俺…遊花のママなのに、なんにもわかってなかった…↓」
「大丈夫よ。そんなに落ち込まなくても。遊花ちゃんだって、和也や雄一さんの気持ちわかってるわ。2人が忙しい時間を割いて会いに来てくれてるのもね、」

母さんはそう言って俺を慰めてくれたけど、

(このままじゃいけない!早速、雄一に相談しよう!)

と、『まるちゃん』を見て楽しそうに笑ってる遊花の小さな後ろ姿を見て強く心に決めた。
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