10Ks!

□◆今宵貴方と◆(シューイチ編)
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亀「中丸、明日のシューイチ、上田が来るんだってね、」

寝入り端、ベッドでイラストのデザイン画に目を通していた俺に亀が不意打ちして来た!

雄「えっ?あ、うん、」
亀「生出演、嬉しい?」
雄「えっ?…いや、なんだか緊張するよ、…会うの久しぶりだし…」
亀「ふ〜ん」

亀は興味があるのか無いのかわからない返事をして布団に潜り込み俺に背中を向けた。

(ヤバいぞ!亀が勘ぐってる!
ああやって背中を向けて眠る時は機嫌が悪い時だっ゛)

長年の付き合いの俺たちはある程度お互いの行動や言動で「今どんな気持ちなのか」がわかったりする。

(ああ〜っ゛ヤバい!亀が枕を抱いてうつ伏せ寝になった!
ああいう時は寂しい時なんだよなっ゛しかもため息まで吐いてる!)
亀「中丸」
雄「はいっ!」
亀「寝るぞ。電気消して、」
雄「あっ、ああ…うん。おやすみ」
亀「おやすみ」

俺は亀を宥めるコトも出来ず、ただドキドキしながらベッド脇のスタンドをパチリと消して青白い間接照明だけになった部屋の中で顔を背けて寝る亀の白い肌を見ながら考えた。

(不味いな…明日のシューイチ、竜也とはちょっと距離置かないとな。物理的に距離を置くのは無理でも、気持ち的には距離を置こう、)

俺はそう心に決めてスヤスヤ寝息を立てる亀の白い肩にそうっと掛け布団を掛けた。
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