10Ks!

□ずっと傍にいて-2-
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函館ー、

俺は来春公開される映画の撮影の為に来ている。

今日は日曜日。
夜には『Going!』の生放送があるから東京に戻るワケだけど、翌日も朝一番の飛行機に乗って函館に戻らなきゃいけないから、中丸には逢えないと思っていた。


和「愛しのダーリン♥今朝はどんな顔を見せてくれるかなぁ〜っ゛♥」

昨夜も遅くまで撮影だったけど、中丸の顔が見たいから頑張って早起きして熱いシャワーを浴びて持ち込みのバスローブを羽織ってテレビをつけた。

和「おっ゛中丸いた!今日の衣装イイじゃんっ゛98点♥」

俺は濡れた髪をタオルで拭きながら中丸の衣装に適当な点数をつけて遊んだ。

ルームサービスで頼んだ厚切りトーストにホテルの自家製バターをたっぷりと塗ってサクリと食べる。

和「うん♥美味しい♥やっぱ、北海道だなぁ〜っ゛乳製品が美味い♥ヨーグルトも美味しいし、ホテル自家製てのが凄いよねっ゛♥今まで沖縄が第2の故郷みたいに思ってたけど、北海道もイイなぁ〜っ゛♥」

俺はテレビを見ながら美味しい朝食を堪能して指についたマーマレードをチュパチュパ舐め取った。
テレビの中ではエンタメコーナーで長瀬くんの映画の紹介をしていて、「生まれ変わったら、何になりたいか?」という質問に「ヒューマンビートボックスが上手い中丸くん」と答えてくれた長瀬くんに感謝した。

和「長瀬くん優しいなぁ〜っ゛♥しっかり後輩の中丸を弄ってくれてるよっ゛♥」

俺は中丸が先輩達にも可愛がられているコトに目を細め、番組初頭の時事問題にも独自の視点で発言するようになった中丸を見て以前よりも専門家キャストの方々と距離が縮まった気がして誇らしい気持ちで今日の『シューイチ』を見ていた。

和「あ、『まじっすか!』だっ゛♥今日はちゃんとまじっすか!って言えるかぁ〜っ゛w」

食事を終えた俺は本格的にテレビを見る為ソファーに座り置いてあったクッションを抱き締めた。

今日の『まじっすか!』の企画は最新エクササイズ。

北澤さんと一緒に挑戦する企画みたいだった。

和「あはははっ゛中丸、マジおじいちゃんだよっ゛コレっ゛(笑)」

俺はやったらかなりハードだろう『サーキットトレーニング』に挑戦する中丸を見て大笑いっ゛
そのおじいちゃんみたいな動きにバカウケしていた(笑)

…けど、楽しく見ていたのはそこまで。

次の企画『アクロヨガ』に挑戦する中丸を見ていた俺はドンドン不機嫌になった。

和「中丸、楽しそうじゃん。」

『アクロヨガ』とは、簡単に説明すると、アクロバティックな動きを取り入れたアメリカ発のヨガらしい。

ソレに挑戦する中丸は北澤さんと組んで上になったり下になったり…両手をしっかりと組んで『パワーライン』なるモノを見つける動作はモノすごく真剣でー、

和「なんか…エロい!」

見ている俺はモヤモヤして来た。

和「真面目に番組の企画をやってるだけなのはわかるけどさぁ〜っ゛…なんか、コレやだ!ズルいもん!俺も中丸と『アクロヨガ』やりたい!」

俺はクッションを落として立ち上がり思いっきり吠えた!

番組終了後ー、
居ても立ってもいられなくなった俺は、早々中丸に電話を掛けた!

《トゥルルル…トゥルルル……ガチャ、》

雄「もしもし?」
和「中丸!俺、今日逢いにいくからっ!」

数回のコール音の後中丸の声が聞こえた瞬間!俺は叫んだ!

雄「うわっ!なんだよ、急に?どうしたんだよ??何があった?」
和「何があった?…じゃないの!こちとら大ありなんだよっ゛
イイか?俺、今日行くかんな!絶対起きてろよっ!」
雄「えっ!おいっ゛和也…!」
《ガチャン!》

俺は中丸が何か言いかけるのを無視して電話を切った。

和「絶対、俺も中丸と『アクロヨガ』やってやる!」

電話を切った俺は闘志を燃やして仁王立ち。ホテルの窓から一望出来る函館の街に向って叫んだ!
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