君の秘密は、僕のモノ
□LOVE♥LOVE♥大好き♥愛してる♥
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突然だけど、
俺、亀梨和也は怒っている。
つか、ムカついている。
誰に?って?
ソレはもちろん中丸雄一、
俺の最愛の人だ。
えっ?
なんで、最愛の人にムカついてるかって?
ソレはね………
亀「むぅ〜。」
雄「なんだよ?亀、朝っぱらからそんなぷー顔なワケ?」
ソレはある日の朝ー
「明日発売になるテレビ誌です!みなさんイイ表情で写ってますよっ♬」
と、昨日打ち合わせ現場で渡されたテレビ誌を見て俺は走召〜ムカつく写真があった。
亀「昨日のTVLIFE。なにアレ?」
俺は厚切りのトーストにバターをたっぷりと塗りながら言った。
雄「TVLIFE?なに?」
中丸もトーストにマーマレードを塗りながら呑気な声で聞いて来て尚更ムカついた!
亀「コレだよ!コレっ」
雄「うわっ!なにすんだよ!マーマレード落ちるじゃんっ」
俺は椅子に隠し持っていた雑誌を出して中丸に叩きつけた!
穏やかな筈の朝の朝食風景が一気に戦場になる気配だ。
雄「えー?なに?俺と上田のインタビュー記事じゃん、コレが何?」
亀「なにってチュウしてるじゃんっ」
雄「はぁ?チュウなんかシテねぇーよっ!」
亀「チュウしたそうな顔シテるもんっ」
雄「チュウじゃ無くて、息を吹き掛けてるだけだろ?よく見ろよ、」
中丸はうんざりした顔をして横向きに椅子に座りはみ出したマーマレードを丁寧に塗り続けた。
亀「むぅ…確かにそうみたいだけど…」
雄「だいたい、亀だってこの仕事してたらわかるだろう?『あーして下さい』『こーして下さい』撮影時に言われんだろ?その通りにしただけだよ、」
亀「そうだろうけど…でも、」
雄「やべぇー!もうこんな時間だっ急がないと!亀、ごちそうさまっ」
中丸はそう言うと慌てて寝室に戻り、着替え始めてパジャマをベッドに脱ぎ捨てクリーニングから返って来たらしい皺一つないYシャツに袖を通して襟を立てネクタイ選び
雄「どっちのネクタイがイイと思う?」
その様子を寝室のドアに凭れ掛かって見ていた俺にネクタイを2本見せて俺に聞いてくる中丸に何も言わず右を指差す俺。
雄「右?こっち?ありがとうっ♬」
そう言って俺が選んだネクタイをその細い首に巻き締め始める中丸の元へ行きネクタイを結ぶ俺。
雄「お、サンキューっ♬ネクタイって自分のは結べるけど人のを結ぶのって難しいよな、亀上手いなっ♬」
亀「誰かさんと違って人のネクタイ結ぶ機会が多いからね〜♬」
俺はちょっとヤキモチ妬かせたくて仕掛けてみる。
雄「ヘェ〜そうなんだ。俺、ねぇーな、そんな機会っ」
(むぅ〜仕掛け失敗w全然響いてねぇーしっw)
亀「そういう中丸は誰のネクタイを上手く結べなかったワケ?」
雄「竜也のネクタイ、…なんかの雑誌取材の時だったんだよな、空き時間にネクタイの結び方の話になってソレでやってみたら難しくてさ、」
(チッ!結局、上田の話かよっ)
俺は自分から振った話なのにも関わらず自分はまんまと嫉妬の炎をメラリと燃やす羽目になって心の中で舌打ちした。
雄「うわっ!10時過ぎてる!ヤバイっ『シューイチ』ロケ遅刻する!」
中丸はバタバタと靴下、ズボンと履いて最後にハンカチを引き出しから出してジャケットのポケットへと入れた。
雄「じゃ、亀、俺行くけど、お皿洗わなくてもイイからっシンクで水に浸けてくれれば、」
亀「皿くらい洗うよ、大した数じゃなし。ついでに洗濯機も回しておいてやる。」
俺は玄関でも壁に凭れ掛かりながら革靴の踵に靴べらを入れて履く中丸に言った。
雄「マジで?ありがとうっ♬じゃ、いってきますっ」
亀「ちょおっ!」
雄「ん?なに?」
亀「忘れモノっ!」
俺はそう言って右のほっぺをツンツンした。
雄「ああ、…chu、いってきますっ」
(ああ…って、雑っ!)
亀「いってらっしゃい…」
俺は不満顔でユルユルとヤル気の無い手の振り方をして慌てて出掛ける中丸を見送った。