仁亀百色玉手箱〃
□仁亀夢物語
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【仁亀夢物語B】-minimumじんじんの巻き(お試し)
和也の部屋に転がり込んで数週間-
俺は多忙な和也に変わり、掃除に洗濯、雑用なンかをこなしていた。
j「料理ばかりは流石にね、和也の方が上手いから手は出せねーけど、」
アメリカで一人暮らししてた分、結構〜色々こなせる様にはなってたンだけど、
その日は少し疲れて和也の帰りを待つうちにウトウトとソファーで寝てしまった。
k「じーん、ただいまぁ〜」
和也が帰って来た!
俺は慌てて起きて眠い目を擦った。
j『あれ・・・? なンか、いつもと景色が違う・・・?』
俺の目の前に映るのはいつもの和也の部屋なのに、なンて言うか、・・・サイズが違う・・・?
椅子もテーブルも・・・つか、目の前の飲みかけのコーヒーカップまでがバカでかく見える?!
j『どういうコトだ・・・?コレ・・・??』
k「じーん!どこぉ〜?」
俺の頭ン中を「???」が飛んでる間に和也が俺の名前を呼びながら玄関からキッチン、リビングへと歩いて来ていた。
j『おーーい!かず!ココだよ、ココ!わかンねーのぉ?!』
俺はソファーの上でピョンピョンして大声張り上げてンのに和也は一向に気付く気配が無くて風呂場にまで俺を探しに行ってしまった。
j『あ``〜マヂで気付いてねーーー!!』
k「おっかしいなぁ〜・・・?何処行ったンだろう・・・?」
俺が頭を掻き毟っているトコロに和也が戻って来た!
j『かずーーッ!!俺ココ!俺ココだよ・・・って、うわーーーッッッ!!!』
いつもなら小さく感じる和也のケツが俺の真上に迫って来て、俺は危うく潰されそうになった!!
j『あっぶっねぇーー!俺を殺す気かぁ〜!!』
k「えっ? 今、なンか、声した??」
俺の必死の訴えに漸く和也が気付いて頬杖を突きながらキョロキョロと辺りを見回している。
俺は和也にちゃんと気付いて貰おうと、和也の膝に飛び乗り、そのまま和也の胸元までよじ登った。
k「気のせいかなぁ〜・・・?仁の声がした気がしたけど・・・」
j『気のせいじゃねーよ、俺だよ!』
俺は和也の肩に乗り、和也の耳元で話した。
k「わぁーッ!何? 虫?」
j『おわっ?! 虫じゃねー!俺だってのぉ〜!』
和也が俺をコトもあろうに虫と間違えて耳元から振り払おうとした!
俺はその瞬間に和也の指に飛び乗り叫んだ!
k「えええええ???なに?コレ??じん??」
和也は最初指に抱きついた俺をも振り払おうとしたけど、やっと俺の声が聞こえたのか、指に捕まる俺をじっと見詰めた。
j『そーだよ、仁だよ!ハァ〜、やっと気付いてくれたぁ〜〜』
k「えええ???・・・何やってンの??」
和也がやっと俺に気付いてくれたと、盛大に安堵していたら和也からソレはソレは冷ややかな台詞が返って来た。
j『何やってンの?じゃねーよ!俺だって知るか!目ぇー覚めたらちびっこくなってたンだ!』
俺は和也の手の中で胡坐を掻き、和也に向かって言った。
k「えぇぇ〜〜???」
和也は俺の言葉に半信半疑で、眉を顰めて見ていたけど何を思い立ったのかむにゅっと、自分のほっぺを抓んで「痛い」とか言ってた。
k「これ・・・本当のコトなンだ・・・。仁ちいちゃくなっちゃったの?」
j『そう〜!本当のコトなの!俺なンでかminimumになっちまった、』
俺は和也の手から飛び降り、テーブルの上に飛び降りた。
k「どうするの?って、聞かれても困るだろうけど・・・」
j『どうしっか? 考えても答え出ねー、』
k「うーーーん・・・」
j『まぁ〜いいさ、どうせ仕事も無いし、元に戻るまでこのminimum生活を満喫するよ♪』
k「じん・・・相変わらず前向きだねぇ〜・・・マヂで感心する、」
和也はそンなコトを言いながら俺を見たけど、 勿論内心穏やかな訳では無かった。
ただ、穏やかじゃないけど、騒いだトコロで何が変わる訳でも無いし、ソレならいっそのこと今しか出来ないコトを楽しもうかと思っただけだった。
j『俺のコトは気にしなくて良いから風呂、入って来いよ、』
k「うん・・・わかった・・・仁は入ったの?」
j『俺は風呂掃除した時にシャワー浴びたからいいや、それより腹減った。風呂上がったらなンか作って、』
k「うん♪仁の好きなモノ作るね、ちょっと待っててね♪」
和也はそう言って着替えを持って風呂場へと消えて行った。
j『しかし・・・俺、なンで小さくなったンだろう・・・?服も一緒に小さくなってるし??』
俺は一人、リビングのテーブルの上で腕組みして首を捻りながら考えていた。
しばらくして、和也が風呂から上がり、俺の大好物のアラビアータを作ってくれた。
j『おおッ!美味そう〜♪いただきまぁ〜すッ♪』
和也は小さくなった俺のコトを考えて、パスタも短く切ってくれて食べやすい様に器も小さめのモノに入れてくれた。
k「フォーク、デザート用のでもちょっと大きいね?」
j『ほんなほほ、ねぇーお、』
俺は口いっぱいに和也の作ったアラビアータを入れながら言った。
k「あはは(笑) 何言ってるかわかンないよ(笑)」
j『そんなコトないって言ったの♪ちゃんと食べれてるから、(笑)』
俺はそう言って笑った。
食事も終わって歯を磨き(ここは和也に洗面所まで連れて行って貰った)ベッドへと入った。
j『あ〜、やっと寝れるぅ〜っ〃』
k「仁、歯ブラシ、歯間ブラシで丁度良いんだね♪」
j『まぁ〜な、このサイズだからな〜』
俺は言いながら、ベッドというより、枕の上に伸び伸びと手足を伸ばして寛いだ。
k「明日、起きたら元に戻ってると良いね・・・」
j『うん・・・』
k「じん・・・」
j『うん?』
k「・・・俺・・・ちっちゃくなっても仁のコト好きだよ?」
j『え?わかってるよ、なんだよ、急に・・・//』
俺は照れくさくて誤魔化すように笑ったけど、和也の顔を見たらすごく真剣な顔で俺を見ていたから、俺も笑うのを止めた。
j『・・・心配いらねーって。ちゃんと元に戻れるって、』
俺は和也の顔の前まで四つん這いで行き、不安そうに目を潤ませる和也の頬を撫でてやった。
k「ぅん・・・絶対だょ?」
和也は頬を撫でる俺の手を取りキスをした。
和也の唇は俺の手なンてスッポリと覆ってしまうくらい大きくて安心させなきゃいけない筈の俺の方が優しく包まれた様な気分になった。
俺たちはしばらく見詰め合って、自然とキスをした。