◆優しい雨〜sweetRain〜◆

□□ふたりでごはん□番外編■
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諏訪さんと一夜を共にしてから2週間が経った。

俺は相変わらず忙しくて不規則な生活を送っていた。
一つ事件が片付けば、また新たな事件が起きる。
昼夜逆転する時もあり毎日家にも帰れない。

「諏訪さんに逢いたいなぁー…」

疲れもピークという時
諏訪さんから連絡が来た。

『菊田さんお元気ですか?
良かったら明後日久しぶりに夕食会しませんか?』
「夕食会行きたい!」

俺は諏訪さんからのメールを読みながら言った。

「明後日か…夜遅くなら行けるかな…」

俺はメールを打つのがまどろっこしく諏訪さんに電話を掛けた。

「諏訪さん、菊田です」
「菊田さん、お疲れ様です!まさか電話が来るとは思いませんでした笑」

電話越しに聞く諏訪さんの声は穏やかで俺の心も和んだ。

「今、大丈夫でした?」
「大丈夫ですよ。丁度風呂上がりで菊田さんにメールしたんです」
「諏訪さんの風呂上がり……イイなぁ〜…」

俺は思わず風呂上がりで濡れた髪に首にタオルを掛けてる諏訪さんを妄想して答えた。

「え?」
「あ!何でもないです!すみませんっW」
「菊田さんかなり疲れてますね。声が枯れてる。ひょっとしてまだ仕事中ですか?」
「はい…実はまだ署にいます。」

俺は山ほど重ねたファイルをチラリと見てため息混じりに言った。

「そうですか…大変ですねぇ。
明後日の夕食会も厳しいですか?」
「夕食会は行きたいです!……ただ、時間が読めません。何時に伺えるか…それじゃあ困りますよね?」

俺は右手に持っていたボールペンで意味も無くシャッシャと間違えた文字を訂正するように線を引きながら聞いた。

「そうですねぇ〜…じゃあ、いつ菊田さんが来てもスグに出来る料理にしましょうか、」

諏訪さんがそう言ってくれた!

その言葉を聞いた途端!
俺の気持ちは一気に明るくなったっW

「イイんですか?いつ行っても?」
「イイですよ 笑 その代わり簡単メニューですよ?」
「全然構いません!諏訪さんが作ってくれるモノなら何でもっW」

俺はボールペンでグルグル丸を書いて最終的には花丸満開にしていたっW

「わかりましたっW笑 ソレじゃあ、明後日 逢いましょう❤」
「ハイ!❤」

俺は元気よく返事をして明後日仕事が終わり次第連絡すると諏訪さんに言って電話を切った。

(やったー!!諏訪さんに逢えるっW❤)

俺は心の中で歓喜して叫び小さくガッツポーズをしたっW

「みんなお疲れ!今日はもう上がってくれ。報告書だけは提出してな、」
「はーい」

課長の声に俺を始め署に残っていた者たちが返事をする中、俺の頭と心は既に明後日の諏訪さんとの夕食会のコトでいっぱいっW❤

(何着て行こう…手土産も必要だよな…)

そんなコトを考えながら報告書を課長のデスクに提出した。

「菊田お疲れぇ〜」
「お疲れ様です。…アイスは持って行ったしなぁ〜…」

俺は先輩に挨拶されてもうわの空でブツブツ言いながら部署を出た。

「なんだ?菊田の奴ボーっとして珍しいな」
「疲れてんだろ。アイツ3日は帰って無いから、」
「あ〜」

「うん?誰だ?報告書にイタズラ書きしたのは?」

課長の声に先輩たちが集まる。

「これ菊田ですよ」
「なんだコレ?花丸二重丸?w」
「いや五重丸だろう笑」
「どちらにしろ書き直しだな!菊田にしては珍しいミスだな」

等とー、
俺が帰った後で課長と先輩達が話し合っていたコトは翌朝知るコトになる。(報告書の書き直し付きで)
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