BOOK

□カ/ゲ/ロ/ウ/デ/イ/ズ
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8月14日 12:02


私は目を覚ました。時間の感覚がわからなくて手元のスマホで確認すると、時計は12:02を指していた。

なんだかいやな夢を見た気がする。わんわんとうるさいセミの鳴き声が妙に耳に残って気持ちが悪かった。

その気持ち悪さをぬぐいさろうと私は、半そでにミニスカートで街へ飛び出した。妙な胸騒ぎを胸に残したまま。




「それでさ...って蒼聞いてる?」

「あ、ごめん...ね、ねぇ銀時...もう帰らない?ちょっと気分悪くなっちゃった。」

「大丈夫かよ?じゃあすることもねぇし帰るか。」


そう言ってブランコから立ち上がり街のほうへと向かう。

気分が悪くなったなんて嘘。本当は思い出してしまった、あの夢のことを。この公園で、昨日銀時が...夢は夢なんだけど、なんかすごく怖くなってその場から逃げだしてしまいたくなった、ただそれだけ。


街のほうへ歩いて少し抜けたとき、不意に周囲の人の視線が気になった。みんながみんな上を向いて口を開けている。あ、といった様子で。私も気になって上を見ようとするとどんっ、とだれかが私の体を押した。


「きゃぁぁぁぁあああっ!!!」


周りの人の悲鳴で我に返った。私の前にはまた真っ赤な...

さっき私を押したのは銀時だろうか。私を助けるために?もう思考回路を焼けつかすように太陽は私の考える力を奪う。

ただ、目の前の銀時の体にはふとい鉄柱が突き刺さっていた。それだけは分かる。また真っ赤にそまる。私のスカートも赤く染まっていく。



夢じゃないぞ?



ゆらゆら揺れるカゲロウがわざとらしく微笑む。私の視界もゆらゆらと揺れ始め、銀時の顔がだんだんと遠くなっていく。


なぜだか、笑ってるように見えたんだ。











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