BOOK

□カ/ゲ/ロ/ウ/デ/イ/ズ
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8月15日 午後12:31


私は目を覚めし、スマホに表示されている時間を見た。窓の外をのぞいてみると、どうやら今日は快晴のようだ。絶好のお出かけ日和と見える。そうだ、公園にでも行ってみようかな。きっとアイツがきてるだろう。

さっさと支度を済ませた私は半そでにミニスカートという簡素ないでたちで、セミの最後の合唱鳴り響く街へと駆け出した。




「ん〜!こんなにアツいと病気になっちゃいそうだよ...」

「それストレートのお前が言う?俺へのいやがらせかよ...」

「そうだよ」

「そうなのかよっ!!てゆーかさ、お前スカート短すぎねェ?その...目のやり場に困るんですケド。」

「銀時のエッチ。」

「うっせーな!!俺だって男なんだよ!」


公園へ着くとすでにアイツはいて、退屈そうにブランコを揺らしていた。私は駆け寄ってアイツ、銀時に声をかけた。もっさりと暑そうな天パ、半そで半ズボン。そうとうアツいんだろうなァと思いながら、銀時の座っている隣のブランコに座り同じようにブランコをゆらす。

じわじわ...

アツい....ものすごく暑い。それは猫も同じなのかいつの間にか私たちの前に来て寝そべった。銀時はその猫をかかえ、膝にのせてつぶやいた。


「でもまぁ...夏は嫌いかなぁ。」

「銀時天パだもんね」

「お前さっきからそればっかりだな!銀さんの心ぐさっと来ちゃったよ!もう修復不可能だよこれ!!」

「あ、そう」

「そうっておめーなぁ...あっ」


あ、と銀時がつぶやいたのをきりに猫は一目散に銀時のもとから走り去っていく。


「もー銀時が暑苦しかったんだよ......銀時?」


いつまでたっても返事がないのを変に思い隣を見てみる。するとそこに銀時の姿はなく、ただ誰もいないブランコが揺れていた。ばっと目を前に向けると、急いで猫を追いかけている銀時の姿があった。いつになくしんけんだ。


「その子あつかったんだって!」

「ちっげーよばか!!猫が逃げた先信号あるんだよ!あのままいったらひかれるかもしれねぇだろうがっ!」

「えっ!?」


案の定、猫が逃げた瞬間に信号は真っ赤に変わった。猫はそんなことつゆしらず、横断歩道を渡ろうとする。それを銀時が追いかける。手を伸ばす。そのとき。


ききーーーっ!どんっ



一瞬何が起こったか分からなかった。嫌な音がして、私の目の前は真っ赤に染まった。大きなトラックが真っ赤になっていて、道路も真っ赤になってて、あれ?


「男の子がひかれたぞ!!!救急車!!」

「ありゃぁ...もうだめだ」


周りの音なんてなにも聞こえない。あんなに熱かった太陽でさえ、なにも感じない。


うそ。うそ。


うそじゃないぞ?




横断歩道の向こう側にゆれるカゲロウが、そうやって笑った気がした。







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