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□こんな出会いもありでしょう
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「お前...何やってんの?」


「あ、あはははこんばんわぁ〜」


「いやいやいやない、これはない!」





○こんな出会いもありでしょう!○






えーみなさんこんばんわ!私の名前は蒼です。いまさら何言ってんだとか言わないでくださいね!さて私が今何をしているかってゆうと、全身をロープでぐるぐる巻きにされてさかさまにつるされています!!別にそんなプレイが好きなわけじゃないですよ、私どっちかってーとSなんで。



「さっきからなにニコニコしゃべっちゃってんの?お前今の状況分かってんのか、あぁ?」


「あ〜声に出てました?すみませんね銀髪さん。」


「反省の色が見られませ〜ん。はい、3分追加」


「そろそろ人体に何かしら影響が出てくるころだと思うんですけど。これで死んだら夜枕元に立ってでますからね!!」


「やっ、やめろよ!!いや、別に怖くないけど!?ビビってないけど!?まぁ仕方ねぇからおろしてやるよ!!」



するすると縄が解かれて床におろされてやっと解放されました。...ホントに逝ってしまうかと思いましたよ。


くらくらする頭を押さえていると、銀髪が顔をグイっと近づけてきて。なんだんなんだと思っているうちにゴツンなんてマンガみたいな音を立てて固い何かがぶつけられました。ああ、何か今日もうさんざんですね。



「痛いんですけど。」


「こんな深夜に泥棒に入られたこっちの身にもなってみろこのやろー。しかもなにくつろいでんだよ。」


「はぁ...こんな家に入った私が間違いでした。こーゆーいかにも金なさそうな家は逆に持ってるって思った私の考えが浅はかだったんです。」


「いろいろ悲しいわ!!」



私は銀髪さんの発言に首をかしげる。どうして悲しいんでしょうか、理解不能ですね。


そふぁの上に座っていると銀髪さんは向かいのソファに座ってじっと私の顔を見つめてきた。私はそれをじっと見返す。それが30秒ほど続いた頃でしょうか、銀髪さんははぁと大きなため息をひとつ。



「お前、名前は?」


「あ、ええと蒼です」


「蒼ね。俺は坂田銀時、銀時様でも坂田様でもお好きなようにどうぞ」


「天パさん。」


「ねぇ、人の話聞いてた?」



また銀髪さんはそういって悲しそうな顔をする。まぁどうせ演技なんでしょうけど。

そんな私の考えを肯定するかのように、また魚の死んだような目になってわたしを見てきた。


「蒼さぁ...」


「はい、なんですか」


「顔は悪かねぇんだからもっとまともに働いたらどーだよ。俺が紹介してやろうか?」


「いやいいです。なんかいやらしい仕事紹介されそうですし。」


「どんな目で見てんだよ!人の親切心を無下にしやがって!!」


「それに...」




私は不意に自分の頭に手を当てた。生まれたときからずっと一緒に過ごしてきたこのふわふわなもの。いわゆる猫耳ですかね。

悲しきかな私たちの種族はこの耳のせいで遠くの音も拾ってしまって仕事なんててにつかないんですよ。なんて初対面の人に言えるわけなく私は黙りこみました。



「あ〜...まぁもう泥棒しないっつーなら仕事決まるまでここにいれば?」


「え...?」


「こんなちいせえ女の子を泥棒させといて野に放つっつーのはさすがにできねぇだろ。お前もなんか事情があんのかしらねぇけど、いてぇならいてもいい」


ぼりぼりと頭をかきながらぶっきらぼうに言い放たれた言葉に私は耳を疑いました。この人...適当だけど本当はやさしいんだ。


でも私は...



「銀時さんありがとうございます!また機会があったらどこかで会いましょう!」


「はぁ!?お前何言って...!」



持っていたせんこうだんを床に投げつけて一瞬だけあたりはまばゆい光に包まれる。わたしはそのすきに入ってきた窓から抜け出す。やっぱりこんないい人のところに居座るなんて私のポリシーに反します!

でも...ちょっとキュンとしちゃったのは秘密です!!






「いっちまった...か」



初めて見たときからなんか普通のやつとは違う感覚がした。なんつーかこう、ほっておけない感じっつーのか?俺馬鹿だからわかんねぇわ。

まぁでも...


「次あったら俺が捕まえて離さなきゃいいか。蒼をポリ公のところにぶち込むのだけはごめんこうむるぜ。」




次会ったときを楽しみにしてろよ、蒼。











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